目標は次の二つの意思決定の後でなければ設定できない。すなわち、集中の決定と市場地位の決定である。集中の決定とは戦場の決定である。この決定なくしては、戦闘はあっても戦争にはならない。集中の決定は、基本中の基本というべき重大な意思決定である。
ピーター・ドラッカー
それは、重大な意思決定
今日も「一時的な対処法」ではなく「普遍的な基本と原則」をお伝えします。現在、ある企業の中期経営計画の作成のお手伝いをしています。内容はもちろん経営者の方々で協議を重ねたうえで最終的にトップに意思決定していただきます。私は進行役のようなものです。経営計画は、新年度の三ヶ月前から取り組むのが一般的です。それは経営計画に三ヶ月かかるという慣習から一般的になったようです。経営計画を作成するこの時期、経営陣は今期の大詰めと来期の展望を形づくる仕事を同時に行なわなければならないので、それはそれは大変です。
経営計画は、「さらに顧客のお役に立つために、事業の水準を高める目標を決める行為」です。数字のことだけではなく、従業員にとって経営者の意図がはっきりと分かるものでなければなりません。そこに経営陣の意図が見えなければ、従業員は前期と同じことを同じように繰り返すだけとなってしまうからです。経営陣が自分たちの意思を全社に提示してこそ、従業員は何を改善し、どんな工夫をしていけばよいかがわかります。では、どのように自分たちの意図を明らかにしていけばいいのでしょうか?。
ドラッカー教授はこう言っています。「目標は次の二つの意思決定の後でなければ設定できない。すなわち、集中の決定と市場地位の決定である。」何を軸に事業を運営し、どんな市場で事業を成功させるかを決める、ということです。ドラッカー5つの質問の「われわれの計画は何か」、が経営計画にあたります。新しい価値を生み出してお客様を創り出し、事業を成功に導き会社を繁栄させていくために、経営計画を立てる際は、「基本中の基本というべき重大な二つの意思決定」から取り組んでください。