トップマネジメントが機能するには、厳しい条件を満たさなければならない。
仲の良さだけで機能させることはできない。好き嫌いは問題ではない。
人間関係に関わりなく、トップマネジメントはチームとして機能しなければならない。
ピーター・ドラッカー
社会に貢献し続けていくために
統制が崩れ、秩序が乱れ
大手企業の会計問題、卓越した技術力を持つ日本企業の崩壊、
コンビニエンスストア最大手のトップマネジメント交代。それぞれ性格の違う問題に見えます。
しかし、起きていることには共通点があります。一言で言えば、お家騒動です。
お家騒動は、江戸時代で大名家の内紛を指すものとして使われた言葉ですが、
今日でも企業や政党など内部抗争の総称として使われます。
その発端は、主権の奪い合い、人事決定の抗争、不当評価に対する怒り、
方向性の決定をめぐる動機など様々です。多人数が考えの違いから統制が崩れたり、
秩序が乱れることです。平たい言葉で言えば、もめごとです。
多数決に委ねる組織運営
1990年代以降、企業の不祥事が発覚したことを背景に、
コーポレート・ガバナンスが注目されるようになりました。
コーポレート・ガバナンスとは、企業を統制し、監視する制度のことで、
監査役や社外取締役という第三者が、事業運営のやり方や情報開示のあり方を確認し、
経営者が職務を適切に果たしているか監督する機能です。
その制度が有効に働いているかどうかはさておき、
企業のあり方にどんな影響を与えているのでしょうか。
会社の方向性を左右する重要な意思決定においても、
その審議を問う時に多数決で決議されるような風潮が色濃くなっています。
まさに、企業のトップマネジメントは委員会になってしまっています。
ミッションが曖昧であれば誤魔化しが生まれます。
ミッションが共有されなければ仲違いが起こります。
ミッションを追究しなければ挑戦は起こらず、自らの陳腐化を招いてしまいます。
これが、今大手企業で起こっていることです。
トップマネジメントが自らの意思を多数決に委ねるような組織運営であっていいのでしょうか。
人間関係に関わりなく
ドラッカーはこう言っています。
「トップマネジメントが機能するには、厳しい条件を満たさなければならない。
仲の良さだけで機能させることはできない。好き嫌いは問題ではない。
人間関係に関わりなく、トップマネジメントはチームとして機能しなければならない。」
続けて、「トップマネジメントは委員会ではない。チームである。」
企業は社会のお役にたつことではじめて生きていけます。
自分たちの生存を目的とすることはできません。
社会に貢献し続けていくために、
トップマネジメントをチームとして機能させてください。