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ドラッカーの名言

東証一部上場企業様を中心に経営チームの支援をを行っています。


会長と社長に振り回される部長

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組織の原則は、階層の数を少なくし指揮系統を
短くすることでなければならない。階層の増加は、
組織内の相互理解と協同歩調を困難にする。
目標を混乱させ、まちがった方向に注意を向けさせる。

ピーター・ドラッカー

 

事業は失速する

 

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現在、コンサルティングさせて頂いている
企業様で社長の交代がありました。
先代の社長から後任の社長へ引き継がれました。
先代の社長は会長に、専務だった人が社長に就きました。
その企業の部長はあることに困っています。
それは、次のようなことです。

 

部長は、ある件について会長のところに
相談に行きました。偶然その場に
社長も居合わせたので、部長は会長と社長と
同時に話を伝えることができました。

 

話しが終わると会長が次のように言いました。
「社長はどう思うかね?」
すると社長は会長にこう言いました。
「会長、少し考えさせてください」
その後、部長には会長からも社長からも連絡はなく、
相談した件はうやむやになってしまいました。

 

また、ある時、部長は別件で社長に相談に行きました。
話しを聞き終わった社長は部長にこう言いました。
「会長に聞いてみないとなんとも言えない。」
後日会長と話しをしたうえで社長は
判断してくれると信じた部長はその場を去りました。
その後、部長に会長からも社長からも連絡はなく、
その件もまた、うやむやになってしまいました。

 

波風を立てないような調整が行なわれるだけで、
具体的な決定はなされないー。重要なことは先送りされ、
あるいは放置されたままとなる。これがこの会社の常であり、
まさに部長が困っているのがこのことです。
起こっていることを整理します。

 

  1. 部長は会長と社長のどちらの指示を受けていいのか分らない。
  2. 部長は会長と社長のどちらの決定に従うべきか混乱している。
  3. 部長は会長と社長の両方の立場を気を遣っている。
  4. 会長は社長が決めるものだと思っている。
  5. 社長は最終的に決めるのは会長だと思っている。
  6. 会長は社長が部長に指示するだろうと思っている。
  7. 社長は会長が部長に指示するものだと思っている。

 

いったい何が原因で、何をどうすれば
この状態から抜け出せるのでしょうか?
ドラッカーはこう言っています。

 

組織の原則は、階層の数を少なくし
指揮系統を短くすることでなければならない。
階層の増加は、組織内の相互理解と協同歩調を困難にする。
目標を混乱させ、まちがった方向に注意を向けさせる。
ピーター・ドラッカー

 

 

最終決定者は社長一人であったところに、
会長が誕生したことによって組織の階層が一つ増えています。
問題なのは「会長・社長という体制」ではなく、
「会長、社長が生むマネジメントの階層の増加」です。
原因は責任者の所在をあいまいにしていることです。

 

大事なことは、役職ではなく責任です。
責任の所在が曖昧であれば、
組織は議論をするだけの場となり、
決定する機能を失ってしまいます。

 

役割を分担するにせよ、どちらか一人が
明確な決定権を持っていなければ、
組織は停滞し、事業は失速します。
そうならないために、誰がどんな決定権を持つかを
はっきり決められることをお勧めします。

 

 

ドラッカーを学びたい社長様へ

 

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基本と原則に反する者は例外なく破綻する。
ピーター・ドラッカー

今以上に事業を伸ばしていくためには基本と原則は不可欠です。
さらなる発展のために、ドラッカーを学びましょう。

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