皮膚が骨格に進化することはない。両者は発生源の異なる器官である。
組織は、ある一定の規模と複雑さに達するや、マネジメントを必要とする。
マネジメントチームという骨格が、オーナー兼起業家という皮膚と
交替する。
ピーター・ドラッカー『現代の経営』
6つのTogether
組織は、しばしばトップの能力を超えて成長するときがあります。
気が付けば、これまでトップひとりで仕切れていたものが、
仕切れなくなるときが訪れます。
トップが受ける不満が増え、トップから発信される指示が増え、
トップが叫ぶ命令が増えていきます。
そのよな状態の中にあって、トップはストレスを抱えながら、
ひとり忙しくしながら打つべき手を打っている認識のままでいます。
しかし、そのような状態は、社員の目には、
「社長の思い付きで物を言う」としか映りません。
これが、トップひとりで仕切れなくなった時の
堂々巡りを繰り返す停滞モードです。
「社員の一人ひとりの能力の向上」が
そのまま「円滑な会社運営の」につながることは絶対にあり得ません。
「社員の能力の向上」と「会社運営の」は別々なものです。
この両者は異なるものであり、
まさに、「皮膚が骨格に進化することはない」です。
ドイツにあるミュンヘン大学のギド教授が、
「6つのTogether」というものを提唱しました。
「6つのTogether」とは、共に知る、共に語る、共に働く、
共に決定する、共に責任を担う、共に感ずる、です。
「共に」とは、部下と上司です。課の中または部の中で、
会社の情報は共に知らなければいけない。共に知ったならば、
共に語り合っていかなければいけない。
その後は、共に働き、共に決定し、共に責任を取っていく。
そして、共に感じ合うことが求められます。
情報はトップしか知らず、部下はトップの言うことを
聞いていればいいというのでは、組織は硬直化しますし、
人間性が失われていきます。社員の知恵こそ、会社の財産です。
文字通り、「人材」は「人財」。上も下もありません。