リーダーシップとは、人のビジョンを高め、成果の水準を高め、
人格を高めることである。
ピーター・ドラッカー『マネジメント』
社長は、ボスではなくリーダー
他人に卒先する行為であることは言うまでもありません。しかし、数頭の馬を走らせるのと同じように考えられていることも多いと思われます。つまり、馬の手綱を握り、馬を操るのが、あたかもリーダーシップかのように勘違いしているケースです。コントロールは、リーダーシップと同じではありません。訓練がゆきとどき、素直で、しかも活力のある者に対してだけ、コントロールはリーダーシップとほぼ同じ効果を持ちうる。以上の特質をすべて兼ね備えることは、可能にせよ、珍しいことです。
リーダーシップは、「生まれつきの能力」なのでしょうか。それとも、「後天的に学んで身につけられる能力」なのでしょうか。どちらの場合もありうるだけに、この点は問題ではありません。しかし、 リーダーシップが、生まれつきの才能や能力のように解釈してしまうことは、 問題です。それは、才能や能力がないと断定された際、または、自分でそのような判断を下した場合、そこには、学習に対する努力が生まれなくなるからです。ましてや、リーダーに、カリスマ性が必要などといった、間違った認識を恐れるべきです。リーダーシップについて、決定的に言えるのは、「リーダーシップは、仕事」だということです。
気が短い人は、即断即決の優位性を持ちます。一貫性のない人は、柔軟対応の特異性を持ちます。このように考えると、人間の長所や短所は、実在するものではなく、関係によって生じる作用に過ぎません。リーダーシップは、「成果をあげるために、いかによい作用をもたらすか」です。いま、あなたは、成果をあげるために、どのような良い作用をもたらしているでしょうか?