ミッションは行動本位たるべきものである。
さもなければ単なる意図に終わる。
ミッションとは組織に働く者全員が自らの貢献を
知りうるようにするものでなければならない。
ピーター・・ドラッカー
それが、人材育成の課題
ドラッカーは、人が人として価値ある人生を送るために、
人はどうあるべきかといったテーマを研究の対象にされました。
組織は人の集合体ではなく、様々な考えが集まった生命体と捉えた
ドラッカーの組織のあり方に対する厳しさは
他に類を見ないように思えます。
組織のミッションは組織の存在意義を明らかにし、
組織の存在価値を決定付けます。
また、それは働く人に働く意味をもたらし
働く人の意欲を創り出してくれるものです。
ドラッカーはこう言っています。
ミッションは行動本位たるべきものである。
さもなければ単なる意図に終わる。
ミッションとは組織に働く者全員 が自らの貢献を
知りうるようにするものでなければならない。
ピーター・ドラッカー
人の意欲は「やり甲斐」で す。
組織から見れば、ひとつひとつの仕事は
「部分を担うひとつの機能」です。
組織の目的と自分の役割の関係を知りうることで
仕事に価値を見出し、単なる意図が
意味をもつ仕事になっていきます。
ここに、煉瓦を積む作業をしている人たちがいます。
あなたは何をしているのですか?との問いに対して、
次のように5つの答えがあります。
- わたしは、煉瓦を積んでいます。
- わたしは、壁をつくっています。
- わたしたちは、建物をつくっています。
- わたしたちは、教会をつくっています。
- わたしたちは、人々の心を癒す空間を造っています。
どれが合っていてどれが間違っていると
いったものではありませんが、既にご理解頂いたとおり、
その人の仕事に対する認識が自分の仕事の価値を決定付けます。
ここでいう「人々の心を癒す」と
いうミッションを共有することが
働く人のエネルギー源となり、
「やり甲斐」をもたらしてくれるものです。
組織は存在することが目的ではなく、
外に対する貢献が目的です。
自分たちの組織は社会でどんな貢献をしようとしているのか。
その中での自分が担う役割は何か。
一人ひとりが自身にそう問える、「貢献する人をつくる」ことが、
人材育成の課題のひとつです。
(一般社団法人日本経営協会 NOMA行政情報 No.36 掲載)