社会の成功と失敗の数々は、マネジメントとは
ものの考え方であることを教えている。社会に対する貢献も、
個人の技能、検診、努力だけで実現できるものではない。
一人ひとりが所属する組織のマネジメントに如何にかかっている。
ピーター・ドラッカー
一人の力は社会の資源
わたしたちは、社会の中で生きています。その社会は人間以外の存在によってつくられたものではなく、人間一人ひとりによってつくられている社会です。わたしたち一人ひとりが日々行っている仕事は、その仕事の終了直後に社会に劇的な変化を加える種のものではありません。しかし、わたしたち一人ひとりの仕事が社会をつくっていることは疑いのない事実です。
人はそれだけで貴い存在です。しかし、人の集まりはそれだけで貴い存在にはなり得ません。「何のためか」、「誰のためか」という方向性を持たない限り、組織は方向性を持たないエネルギーが右往左往する不毛な存在となってしまいます。ゆえに、人の集まりは、「何のためか」、「誰のためか」を明らかにする必要があります。
いつの間にか、働き方が大きく変わりました。高度成長期あたりの仕事は、「他者の仕事を監督する人と自分の仕事を監督される人」の2種類があるだけでした。しかし今日の仕事は、「自分の仕事を自分で監督する人」にその重心が移動しました。マネジメントの資源は人であり、その実行者も人です。したがって、あらゆる組織の課題は、「働く一人ひとりが「自分の仕事を自分で監督できる状態をつくること」、なのです。