なされるべきことはほとんど常に複数である。
しかし成果をあげるには手を広げすぎてはならない。
一つのことに集中する必要がある。なされるべきこと考えたならば、
そこに優先順位を付け、それを守らなければならない。
ピーター・ドラッカー『経営者の条件』
一つのことに集中できる状態をつくる
ある経営者の方とお話しする機会がありました。
経営者のほとんどは目標を掲げてその目標達成に取り組んでいます。
その方も、今期の経営目標の達成に向けて全力で取り組んでおられました。
目標とはいままでと同じやり方で達成できないものですから、
次から次へと解決策が見つからない障害に遭遇します。
目標を達成しようとするあまり、あれもこれも手を出したくなるのが
人の心理です(私もそうです)。月に何回も社員さんを研修に参加させ、
またご自身もセミナーに出席されている方も少なくありません。
ひょっとするとそれは、本来打つべき手立てを打たずに、
目の前の課題を放置したままになっていないとも限りません。
ドラッカー教授は、成果をあげるには手を広げすぎてはならない。
一つのことに集中する必要があると指摘されています。
いま行っていることが、経営目標の達成に向けられていなければ、
直ちに軌道修正するのが経営者の仕事です。
一つのことに集中できる状態が自動的につくられるわけではありません。
成果をあげるために、一つのことに集中できる状態を意図的につくりあげてください。