経営者には、外部の人間の客観的なアドバイスが必要である。
意思決定について話し合い、耳を傾けることのできる相談相手を必要とする。
ピーター・ドラッカー
知識は何も創造しない
山下さん、お客様はコンサルティングを受けるということが、どういうことかわからないんですよ。お客様は、きっと研修と言わないとわからないのだと思います。お客様は、コンサルティングは教わるものだと思っていますから・・・。これは、コンサルタントの仲間がわたしに話してくれた言葉です。わたしは彼の言葉に納得しました。同時に、 疑問が起こりました。 それは、お客様と自分の考えのギャップにではなく、その考えをつくっている考えにです。
医師に医学を教わろうと考える人はいませんし、弁護士に法律を教わろうと考える人もいません。また、飲食店にレシピを教わろうと考える人もいないのに、なぜコンサルティングとなると経営を教わろうというものになるのだろうか。これが、わたしに起こった疑問です。事業は、知識を超えた知恵を生み出す必要があります。それは、知識が何かを創造することはなく、意思がなければ知識は知識にとどまり何も創造はなされないからです。
考えを出力することによって考えがより明らかになる。優れた方ほどその原理を活用され、会話の中から「事業の進展のために必要な気づき」を自ら手に入れられています。その会社に相応しい経営がわかるのは、その会社の経営者しかいません。コンサルティングとは教えることではなく、知恵を成果に変える支援なのです。わたしは”経営コンサルタント”ではありません。わたしは”経営者コンサルタント”です。