第1に、マネジメントには基本とすべきものがある。第2に、しかしそれらの基本と原則はそれぞれの状況に応じて適用していかねばならない。第3に基本と原則に反するものは例外なく時を経ず破綻する。
ピーター・ドラッカー『マネジメント』
経営者にとって「必要なもの」それは「基本と原則」
「ドラッカーの本にはすごい正解が書かれている」。多くの方が、そのようにお考えになられているようです。人間が一人ひとり違うように、会社もまた一つひとつ違います。ゆえに、どんな会社にも当てはまる一つの答えなどあるはずがありません。もとより経営に「正解」はありません。経営は「適正解を導き出すためのもの」です。ドラッカー教授の本に書かれているのは「正解」ではなく「適正解を導き出すためのもの」なのです。
その会社にとって相応しい経営がわかるのは、その会社の経営者だけです。ドラッカー教授の「適正解を導き出すためのもの」が世界最高峰のものでも、経営を行うのは経営者自身です。その「適正解を導き出すためのもの」こそ、ドラッカー教授が言う「基本と原則」です。
優れた経営を行うためには、「基本と原則」を知り、それを状況に応じて、どのように適用していけばよいかは知っておいた方がいいかもしれません。経営者に必要なのは、「経営指導」ではなく、「適正解を導き出すためのものの使い方」と言えるでしょう。