事業の定義は、目標に翻訳しなければならない。
そのままではせっかくの定義も、決して実現されることのない
洞察、よき意図、よき警告に終わる。
ここでいう目標とは、具体的な目標である。
抽象的であってはならない。
ピーター・ドラッカー
わが社は、何のために、どんな姿になろうとしているのか
どんな会社も期初と期末があります。新しい期を迎える時は、経営計画を立てます。計画とは、今期と違う来期をありありと描いたものです。その計画書の表紙をめくると経営理念や新しい期の方針が書かれています。しかし、次のページには「売上目標」が書かれています。経営理念、経営方針に基づいた「具体的な行動」は何も書かれていない、そんな計画書をしばしば目にします。
従業員は、頷いてくれてはいるものの、心の中では「だからなに?」と思っているかもしれません。(事実、思っています)従業員には「上が決めた売上目標を達成してください!」と言われているだけのものでしかありません。なぜなら、経営者の想いだけが伝わり、なぜそれが重要なのかが伝わらないからです。
方針やスローガンとは、道路でいう標識のようなもので、目的地がなければ標識はなんの意味もありません。同じように、「決めた売上目標を達成してください」だけでは、経営理念はもちろんのこと、方針やスローガンは意味がありません。「抽象的であってはならない」、です。考え抜いて決めてきたことが意味のないものとなり、来期も今期と同じことを同じようにやっている状態になってしまいます。「決して実現されることのない洞察、よき意図、よき警告に終わる」、です。今期とは違う来期にするために、「わが社は、何のために、何年何月何日、どんな姿になろうとしているのか」を明らかにしてください。