
組織の側に、情熱の炎を燃え続けさせる責任がある。
仕事を労働にさせてはならない。
「われわれが誇りとするものは何か」、
「われわれはどのような素晴らしいことをしたか」を聞くことである。
ピーター・ドラッカー
『非営利組織の経営』
うち会社は理念があるだけで終わっている
こんなことありませんか?
「うち会社は理念があるだけで終わっている」
「理念を掲げても部下は腹落ちしていない気がする…」
「理念ついて朝礼や会議で誰かが語り出すこともない…」
ある調査では従業員の70%以上が
「企業理念を実感できていない」と回答してます。
経営理念の“見える化”は多くの会社が抱える課題です。
そのままにしておくとどうなってしまうのでしょうか?
– 意思決定がぶれます。
実際、ある調査では、約65%の経営判断が現場とのズレにより
再検討・延期されるリスクがあるというデータがあります。
・社員のモチベーションが低下 頑張る意味を見失う
評価のためにだけに頑張る会社になってしまう。
・離職者が増える 離職率が年間平均15%上昇すると言われています。
ブランド価値も停滞し、顧客満足度や株主評価にも悪影響が及びます。
ではどうすればいいのでしょう?ドラッカーはこう語っています。
組織の側に、情熱の炎を燃え続けさせる責任がある。
仕事を労働にさせてはならない。
「われわれが誇りとするものは何か」
「われわれはどのような素晴らしいことをしたか」を聞くことである。
ピーター・ドラッカー
ある企業でこんなことがありました。
経営理念に「お客様が望んでいることに応える」
という文言があったものの、
実際は、自社の利益第一でした。
つまり、現実は理念と乖離していました。
そこで社長は、月1度、自ら「理念達成度」を
社員に報告する場を設けました 。
「この取り組みは理念にどう沿っているか」を問い、
部門毎に発表してもらうようにしました。。
少しづつと社員の意識は当然変わっていきます。
2年後には、
– 社員の理念実感率が20% → 68%に上昇
– 離職率が12%→8%に改善 – 顧客満足スコアも平均4.2→4.6に向上
という顕著な成果が見られました。
まさに理念が“組織文化”となり、
行動と成果の根幹を支える基盤が整ったのです。
それでは今日のアクションポイントです。4つお伝えします。
1.伝え続ける
経営者が「われわれが誇りとするものは何か」を伝え続ける。
2.評価項目を変える
仕事の成果を「理念への貢献度」で評価項目に含める
3.発表する場をつくる
月次または四半期ごとに「理念達成プレゼンの場」を設ける。
「われわれはどのような素晴らしいことをしたか」成果発表の場を持つ。
4.経貢献を賞賛する。
理念に沿った行動を目撃した時に経営者・幹部が即時に賞賛する
この4つの取り組みをベースに、
理念は“意味ある行動”として自然と社内に浸透していきます。
・経営者が体現し続けることで、組織に“魂”が吹き込まれます。
・定期的に成果と理念との紐づけで評価し、
認知と行動をセットで習慣化します。
・小さな賞賛の積み重ねが全社の文化に広がり、
理念=行動のサイクルが回り始めます。
理念の浸透とは、従業員の働く目的を誇りに変える営みです。
経営者が、その灯を絶やさない、その取り組みが、
社員の信頼を勝ち取り、 理念が強く息づく組織を育む源になります。