「顧客にとっての価値は何か」これがもっとも重要な問いである。品質が価値だという。この答えはほとんど間違いである。顧客は製品を買ってはいない。欲求の充足を買っている。彼らにとっての価値を買っている。
ピーター・ドラッカー
お客様を知るという取り組み
経営者の一番の悩みと言えば、売上げだ。しかし中には、まったく「売上げ」には困らない会社もある。まったく同じことをしていても、売上げに困っている会社があるかと思えば、そうではない会社もあるのは、不思議だ。売上げが少ない時は、商品に工夫を凝らしたり、営業を強化しようと考えがちだ。逆に、商品が売れている時は、この調子で頑張ろうと考えがちだ。実は、事業が安定しない理由はここにある。
もし御社が、商品の良さだけを追求していたり、販売のことだけを考えていたら、すぐにでも行く詰まってしまうだろう。商品の良さや販売の以外についても考える機会。それが今回お伝えする、ドラッカー5つの質問の第3の問い「顧客にとっての価値は何か」だ。私達は、日々仕事をしている。その結果、商品やサービスが動いている。その動きが行き着く先がお客様だ。したがって、仕事の結果が出るのは、お客様のところであって、会社の中ではない。お客様が商品を選んでくれたり、買ってくれたりする時、お客様に何が起こっているのかを知らなければ、 自分たちのミッションがどれくらい果たせたのかを知ることはできない。
お客様を知るという取り組みをしていなければ、やがてはお客様を見失ってしまう。お客様を見失うということは、事業の方向性が見えなくなっていくということだ。事業の方向性が見えなくなれば、せっかくのチャンスも捉えることができなくなり、ライバルに先を越されていく。またたく間に事業は、衰弱し、生きていくことさえできなくなってしまう。お客様を知るための取り組みを続け、事業の方向性を考え抜いている会社は、新しいチャンスをどんどんつくり、売上を増やしている。お客様を知る取り組みがもたらしてくれる実りはとてつもなく大きい。 ドラッカーは、お客様を知るため次のこと行うように言われている。
- 経営者自らお客様に接する。
- お客様がいく会合などに出席して、お客様の課題を知る。
- お客様でなくなったお客様の声を聞く。
- 営業担当者からお客様の話を聞く。
続きは、NEXT 2013年12月号にて