グローバル企業は国内企業とは異質であって、戦略、構造、
姿勢に関して、トップマネジメントに対し異なる要求を課してくる。
グローバルであることから生ずる問題の数々を解決しえないならば、繁栄はおぼつかない。
ピーター・ドラッカー
海外事業を成功に導くポイントは
上海でコンサルティングの現場で得た気づきをお話させて頂きます。海外で事業を展開する某企業は、こんな問題に直面しています。海外支社からは「日本からの支援を頼む!」、日本本社は「日本は日本で忙しいのだ!」と言うことが起こっています。海外支社は事業を加速させるために日本で働いているあの優秀な人材が欲しい、日本本社は、優秀な人はいま忙しいので海外に派遣するわけにはいない、といったと都合がぶつかっています。
経営者がいずれかの決断をせずに、日本は日本の都合を主張し、海外拠点は海外の都合を主張する状態を許し続けてしまえば、事業は停滞してしまいます。停滞ばかりかそのままでは事業は失墜してしまいます。巨額の投資なパーになるわけです。
最大の機会に優秀な人材を配置ことは、事業を成功させるうえでの鉄則です。特に、海外拠点のスタートにあっては、母体である日本本社からの充分な支援が必要です。日本本社が海外支社を支援することは当然の役目です。具体的な例を一つ挙げれば、今あるリソースを分散させなければならない、ということです。日本で働いている優秀な人材を海外に送り込まなねばならないのす。
しかし、それはただ打つべき手立てに過ぎません。根本的に必要なことは何か。それは、日本と海外の双方の都合が衝突することがないようにするため、日本の立場に偏らず海外の立場に偏らず、われわれ(国内外)を主語にものを考え、われわれ(国内外)を主語に決定する機関を持つということです。具体的には、国内と海外の意思決定機関とは別にグループとしての意思決定機関を新設するということです。
もちろん、どんな事業も立ち上げは簡単ではありません。何一つとしてスムーズに進むものはありません。ましては海外ともなれば、言葉の問題にはじまり文化、習慣も違えばなわさらのことです。海外に拠点を持つと、次から次へと新しい課題がやってきます。とにもかくにも、海外事業を成功に導くポイントは「会社経営からグループ経営へ」経営そのものを進化させることです。