複数の人間が協力して、多様な課題を同時に遂行する必要が生じたとき、組織はトップマネジメントチームという骨格を持つように変身しない限り、管理不能となり、計画は実行に移されなくなる。失敗を重ね、停滞し、坂を下る。
ピーター・ドラッカー
この時に、適切な手立てを打たなければ
役員それぞれの意思疎通が図れず、会社としての意思統一がうまくいかない…。役員がプレイヤーとして担当事業の仕事に忙しく、経営にあたる時間を持てない…。責任と権限が曖昧で仕事が思うように進まず、常に社内調整に労力が奪われてる…。日々の仕事に追われて将来の事業について話し合えていない…。もし本誌を読んでいるあなたが経営者であれば、そのような状況に遭遇したことがあるときっと思います。また今まさに前述した様な状況の中にあるかもしれません。それは、ドラッカー教授の言葉を借りて表現するならば、事業が成功している証であると同時に、事業の成長がトップ一人でマネジメントできる限界を超えた結果です。
トップの仕事とはどのようなものでしょうか。未来のあるべき姿を考える。戦略を決定し事業計画をたてる。事業の軌道修正を行うとともに新規事業や新商品の意思決定を行う。人事の昇格や異動に関する意思決定もトップの重要な仕事です。さらに、幹部や社員との意思疎通に多くの時間がとられ、対外的な活動や業界の集まりにも出席しなければなりません。トップの仕事は、質と量ともに一人でやり切れるものではありません。トップは多岐に渡る仕事が目白押しです。忙しいあまり、気が付くと目の前の問題解決や一つの部門の業務に追われてしまうのが現実です。油断すると雑務に引きずり込まれ、指示命令に忙しいマルチプレイヤーに陥ってしまうことさえあります。
この時に、適切な手立てを打たなければ、ひたすら問題解決だけに追われ続けることになってしまいます。それでは、事業の成長が生み出す新しい課題に耐えられなくなり、成長するはずの事業であっても停滞したままになってしまいます。目には見えないこの壁を打開できるかどうか、それがその後の会社の成長を決定付けます。その状態を打開するため適切な手立てとはいったい何でしょうか。具体的にどうすればいいのでしょうか?。
続きは・・・(月刊BOSS06月号より一部抜粋)