人間の幸せを脅かすものに対し、第三者的態度をとるつもりはない。
全体主義にいかなる妥協もしない。人間の幸せを脅かす全体主義に対抗する。
ピーター・ドラッカー
戦後70年とマネジメント
全体主義(ぜんたいしゅぎ)。
この言葉は、一度はどこかで聞いたことがあるかと思います。
いまひとつ掴みにくい言葉ですね。全体主義とは一言でいえば、
「国民は国家のためにあるという考え方」です。
それは、国が人間の私生活を支配し、
一個人の人生の願いを排斥し、
人間の幸福を根底から脅かす思想です。
人間の精神を破壊すれば社会は崩壊してしまいます。
これが、全体主義です。具体的には、
第二次世界大戦の時に勃興したヒトラーのナチズムです。
ドラッカーはこう言っています。
人間の幸せを脅かすものに対し、第三者的態度をとるつもりはない。
全体主義にいかなる妥協もしない。人間の幸せを脅かす全体主義に対抗する、
われわれの人生は戦争の影響を受けた。あの惨事を二度と起こしてはならない。
人間を幸せにする社会は生れるのか。
ピーター・ドラッカー
目には見えないそんな社会の課題を提示し、
その課題と正面から対峙したドラッカーが、
なぜ企業経営の指南書なる「マネジメント」を書いたのでしょうか。
ドラッカーはこう言っています。
いまや、あらゆる先進社会が組織社会になった。
主な社会的課題はすべて、マネジメントによって運営される
永続的存在としての組織の手にゆだねられた。
一人ひとりの命とまではいかなかくとも、
現代社会そのものの機能が、それら組織の仕事ぶりにかかっている。
ピーター・ドラッカー
マネジメントとは、事業を通じて、
人の強みを発揮させ、社会に貢献することです。
先進国が、全体主義に陥らず、
人間を幸せにする社会を創り出すために、
マネジメントが必要なのです。
だから、ドラッカーはネジメントを世に普及させたのです。
その課題への取り組みを担っているのは
私たち一人ひとりです。
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山下 淳一郎
『ビジョナリ―・カンパニー』の著者、ジム・コリンズはこう語る。
この世にあって何がしかの責任を担う者であるならば、
ドラッカーとは、いま読むべきものである。明日読むべきものである。
10年後、50年後、100年後にも読むべきものである。