これら5つの質問は、正面から答えていくならば、必ずや、各位のスキルと能力とコミットを深化させ、あるいは向上させていくはずである。ビジョンを高め、自らの手で未来を築いていくことを可能にするはずである。
ピーター・ドラッカー
ドラッカー5つの質問
マネジメントの父と呼ばれるピーター・ドラッカー。その哲学と理論は、今なお多くの経営者を動かし、企業の成長を支えている。本稿は、ドラッカー専門コンサルタントの山下淳一郎氏の説明のもと、ドラッカーの5つの質問を通してマネジメントを読み解く、全6回の連載の第1回目。企業を成長させるための5つの質問に迫る。
もくじ
1.事業には目的が必要
仕事に価値を求める人間が集まって、力を合わせて仕事をしようというのですから、事業は「何のため」という目的が必要です。
2.事業の目的は喜ぶ人を増やすこと
1954年、ピーター・ドラッカーは「事業の目的は顧客の創造である」と言いました。あなたは「事業の目的は顧客の創造である」ときいてどう思われたでしょうか。
3.企業には2種類のお客様が存在する
もう一人の忘れてはいけない大切なお客様がいます。それは、社員さんです。社員さんはその事業の目的に共感し、その事業を成功させる、大事な、大事な協力者です。
4.究極のマネジメント
マネジメントというと、管理することという風潮が根強く残っていますが、「管理しなくていいようにすることがマネジメント」です。
5.主語を「われわれ」にする
主語を、「われわれ」にすれば、組織全体に立って考えざるを得なくなります。そして、組織全体に立った発言にならざるを得なくなります。
6.ドラッカー5つの質問
では、具体的に何を話し合えばいいのでしょうか? ドラッカーはその仕事の中身に丁寧に教えてくれています。それが、ドラッカー5つの質問です。