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社員の努力を評価すべきか

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人は誰でも優れている点とそうでない点がある。
組織本来の目的は、お互いの優れていない点をお互いで補うことにある。
ゆえに、優れていない点を取り出したところで何も価値は生まれない。
評価とは、その人の価値を決めることではない。
評価の目的は、本人にさらに最善を尽くそうと思ってもらうことにある。

ピーター・ドラッカー

 

人の優れている点を成果に結び付ける

 

「製品に使う部品の調達は彼が一番できるんだが、
先日お客様との会食の対応はまったく話にならなかった。
彼は机に向かって細かな仕事はできるが、
人間が相手となると全然ダメだ。」

 

これは、あるセミナーで実際にあった参加者同士の会話だ。
人は生まれて、幼稚園、あるいは小学校で、
他者の物差しで評価される世界に入る。
環境は人間の習慣をつくる。他者に評価されるという環境は、
他者を評価するという習慣をつくりだす。

 

そして、人はいつの間にか、人を評価するようになる。
「この人はこういう人だ」「あの人はこういう人だ」
「この人はここが足りない」「あの人はここがよくない」
といった具合に。

 

参加者から、努力を評価すべきですか?
といった質問があった。
そのセミナーの講師は次の様に答えた。

 

人は誰でも優れている点とそうでない点がある。
組織本来の目的は、お互いの優れていない点をお互いで補うことにある。
ゆえに、優れていない点を取り出したところで何も価値は生まれない。
評価とは、その人の価値を決めることではない。
評価の目的は、本人にさらに最善を尽くそうと思ってもらうことにある。
ピーター・ドラッカー

 

 

こう続けた。
努力を評価すべきかについては、上が新しい仕事を
新しいやり方で行う挑戦を部下に許していることが前提である。

 

これまでと同じ仕事を、これまでと同じようにやることを
強いておきながら、これまでと違う成果をあげろ、
という方がおかしい。

 

新しい仕事を新しいやり方で行う挑戦を許していれば、
その努力は評価すべだろう。しかし、これまでと同じ仕事を、
これまでと同じようにやっていることを評価することはできない。

 

人は誰でも優れている点とそうでない点がある。
組織本来の目的は、お互いの優れていない点をお互いで補うことにある。
ゆえに、優れていない点を取り出して、
あーだ、こーだと言ったところで何も価値は生まれない。

 

評価とは、その人の価値を決めることではない。
評価の目的は、本人にさらに最善を尽くそうと思ってもらうことにある。
ゆえに、社員に対する評価は、自発的に仕事の改善を促すもので
なければならない。評価において、はっきりさせるべきことは、
その人の優れている点を成果に結び付けるために何をするかだ。

詳しくは、『日本に来たドラッカー 初来日編』でお伝えしています。

 

 

日本に来たドラッカー-初来日140.jpg
詳しくは、こちら でお読みになれます

日本に来たドラッカー 初来日編 山下 淳一郎

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