未来において何かを起こすということは新しい事業を作り出すということである。
新しい経済、新しい技術、新しい社会についてのビジョンを、
事業として実現するということである。
ピーター・ドラッカー
(写真:Pasona N AのCEO 古代賢司氏)
事業を新しい次元に進化させていくことこそリーダーの役目
次の世代のためにまずわれわれが変わらなければならない。
そう語るのはアメリカのニューヨークに本社を置く
Pasona N AのCEO、古代賢司氏だ。
パソナは1976年に現パソナグループ代表取締役グループ代表の
南部靖之氏が創業した。同社は2007年に東証1部に上場し、
現在グループで売上高約2,300億円、
従業員数は約8,500名を擁する大企業である。
四代目の社長、古代氏が率いる米国法人のパソナである
Pasona N Aは1985年に設立された。
社会の問題点を解決するというパソナグループの企業理念のもと、
同社はアメリカに進出する日系企業をにサービスを提供している。
在米の日系企業は大企業であってもアメリカの拠点は
小規模の組織で事業を運営していることが多い。
駐在員は事業を先行させるため管理業務に
十分なリソースが取れないのが現実である。
そのような問題を解決するためPasona N Aは、
顧客企業がコア事業に集中できるよう、
主に人事、経理、総務の業務のアウトソーシングサービスを提供するとともに、
世界に持つパソナグループのネットワークを活用し、
国境を越えた人材の紹介や優秀な「人財」の採用を支援している。
事業は時代の変化に先んじて何かを起こしていかなければならない。
今後はさらにグローバル化する市場のニーズに応えていくため
在米の日系企業のみならず、アメリカの企業や
対日投資を進める企業の支援へと社会に貢献できる可能性
を広げていきたいと古代社長は語る。
「今、時代は大きく変わっている。シリコンバレーでは
インダストリー+テックという言葉が使われ、働き方はもちろん、
マネジメント方法に関しても日々、進化と変化を繰り返している。
人事の分野においても近い将来はAIを活用したサービスが
一般化するであろうと予想され、『HRテック』と言われる
新しいテクノロジーを活用する動きが起こっている。
時代の変化が人間に与えるのは期待と不安である。テ
クノロジーの発達によって、われわれの仕事は減っていくのではなく、
変わっていくだけである。
時代が変わる一方で社会の役に立ちたいという
人間の根底にある価値観は変わらない。
どんなに時代が変わっても、これまでがそうだったように、
われわれは必ず新しいビジネスを創り出していく。
次の世代の人たちのためにまずわれわれが変わらなければならない。」
古代社長はそう語る。
変化を脅威ではなく機会として捉え、
事業を新しい次元に進化させていくことこそリーダーの役目であると
古代社長からお教え頂いた。
ドラッカーはこう言っている。
未来において何かを起こすということは
新しい事業を作り出すということである。
新しい経済、新しい技術、新しい社会についてのビジョンを、
事業として実現するということである。
ピーター・ドラッカー
古代社長曰く。
「創業者の南部は世の中には3つの壁があると言う。
1つ目の『制度の壁』は法律や規制から生まれるもので、
2つ目の『物の壁』とは資金や場所によってもたらされるものだ。
3つの『心の壁』は自分の心がつくる限界である。
古代社長はこの『心の壁』が一番肝心だと言う。
今後さらにお客様にお応えしていくために、
既存概念にとらわれず、自らがつくる限界を突き破り、
常に挑戦し続けていかなければならない。」