ドラッカーの名言

未来に何かを起こすには勇気を必要とする。
努力を必要とする。信念を必要とする。
その場しのぎの仕事に身をまかせていたのでは未来はつくれない。

ピーター・ドラッカー

会社を永続的に成長させていくためにどうすればいいのかー。
成功とは挑戦の結果であって、幸運の結果ではない。
成功を収めている企業とそうでない企業の違いはどこにあるのだろうか。
ドラッカーはこう言っている。

「われわれの事業は何か」を問うとは、
わが社の事業はどうあるべきかを徹底的に考え抜き、
わが社のあるべき姿を明らかにする、ということだ。
経営者のそんな仕事の助けとなってくれるのが、
ドラッカー5つの質問である。

それは、経営者は、何を考えればいいのか、
何を決めればいいのか、何を行なえばいいのか、
ということが質問形式でまとめられているものだ。
その中身は次のとおりだ。

第1の質問われわれのミッションは何か

第2の質問われわれの顧客は誰か

第3の質問顧客にとっての価値は何か

第4の質問われわれの成果は何か

第5の質問われわれの計画は何か

「われわれのミッションは何か」は、何のための事業なのかを
問いただしてくれる。「われわれの顧客は誰か」は、
誰をお客様とすべきかを明らかにしてくれる。

「顧客にとっての価値は何か」は、
何をやるべきかをはっきりさせてくれる。
「われわれの成果は何か」は働く人を方向付けしてくれる。
「われわれの計画は何か」は、事業の存続と
繁栄に関わる重要なことに注意を向けさせてくれる。

5つの質問一つひとつの中に、さらに細かい質問がたくさんある。
それらの問いに対する答えをつくり出していくことによって、
結果として、優れた経営を行うに至る。

ドラッカー5つの質問は主語がすべて「われわれ」だ。
主語が「われわれ」である以上、社長一人で考え込むものではなく、
経営チームのメンバーと共に取り組むものである。
答えを共有する前に、問いを共有しなければならない。

そして同じに問いに対して、全員が同じ答えが出てくる状態に
ならなければならない。経営チームが一枚岩にならずして
会社のさらなる成長はあり得ないからだ。
経営者の仕事は、今日の仕事をこなす事ではなく、
今日と違う未来をつくることだ。
ドラッカーはこう言っている。

ドラッカー5つの質問は思想ではない。
行動を決定するものである。本書は、概念論の解説ではなく、
何を決めなければならないかに重点を置いている。

「一人で学ぶこと」と「チーム取り組むこと」はまったく違う。
ドラッカー5つの質問は経営チームで取り組んでこそ意味がある。
経営チームでドラッカー5つの質問を取り組み、
御社がさらに繁栄してくださることが本書の願いである。

(まえがきより)