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ドラッカーの名言

東証一部上場企業様を中心に経営チームの支援をを行っています。


山下淳一郎インタビュー(4)

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未来に何かを起こすには勇気を必要とする。
努力を必要とする。信念を必要とする。
その場しのぎの仕事に身をまかせていたのでは
未来はつくれない。

ピーター・ドラッカー

 

4.ドラッカー5つの質問

 

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次に、主語を「われわれ」にした上で何を話し合うのか。
これに対してドラッカーは「五つの質問」を示しています。

 

一、われわれの使命は何か

我が社がこの社会に存在しなくてはならない理由はどこにあるのか。
何のために仕事をするのか。この根本的な事業の目的を
問いただしていきます。例えば、冬の寒い日に、
「池に飛び込んでください」と言われても嫌でしょう。
しかし、「池に二歳の子供が落ちて溺れてしまっているので、
手伝ってください」と頼まれたらどうでしょうか。
尊い命が救われるのなら、寒くても我慢できると思います。
人は目的があれば、困難を乗り越えられる。仕事も同じです。
目的があると働く意欲が生まれ、その仕事に価値を感じれば、
辛いことでも耐えられるでしょう。

 

二、われわれの顧客は誰か

われわれの使命は誰に向けられたものなのか。
誰のお役に立ちたいのか。どういう人を幸せにしたいのか。
ここが明確でないと使命も薄れてしまいます。
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、バイクリルという
一定期間経過すると体内に吸収され、消えてなくなる手術用縫合糸を
開発しました。術後の抜糸をするためだけに再び開腹するのは
患者さんへの負担が大きい。何とかこの問題を解決できないかと考えて、
開発されたのがバイクリルです。

 

ある時、何も営業をしていないのに、食肉加工メーカーから
毎月巨額の注文を受けるようになりました。
ハムをつくる際、お肉を縛る糸にバイクリルを使用すれば、
糸を取る工程が省けて大幅なコストダウンになるため、
重宝されていたわけです。

 

ところが、ジョンソン・エンド・ジョンソンは
非常に儲かっていたバイクリルの事業を丸ごと売却しました。
なぜか。報道陣の質問に対してこのように答えています。
いま、多くの国の食肉加工メーカーから注文を
いただいていることはありがたい。だが、取引金額が増えるほど、
社会的責任もまた重くなる。やがてメーカーごとに特注の依頼が発生し、
それに応えざるを得なくなるだろう。

 

しかし、われわれの本来の顧客は患者さんだ。
患者さんのためにわれわれは存在し、事業を行っている
。食肉加工メーカーの特注の依頼に応えることは、
その分だけ患者さんに応える時間と労力を削がれることになる」
何と素晴らしい決断でしょうか。顧客を明確にすることの
重要性をこの言葉に見る思いです。

 

三、顧客の価値は何か

自分たちが売りたいものを押しつけて売るのではなく、
自分たちがお役に立ちたいと思っているお客様は何を望んでいるのか。
何に価値を感じているのか。これに関してドラッカーは
富士ゼロックスの事例を挙げています。ご存じのとおり、
富士ゼロックスはコピー機を開発しました。

 

売れると思っていたところ、高価だったため、
当初は全く売れませんでした。その時に富士ゼロックスの
経営陣が問うたこと。それが顧客の価値は何か、です。
突き詰めていく中で、顧客が求めていたもの
はコピー機ではなくコピーだったことに気づき、
そこから事業活動を切り替えました。

 

つまり、コピー機を売ることをやめてコピー機を
タダで置かせてもらい、使った分のコピー代だけを請求する。
断る会社は一社もなかったといいます。これが突破口となり、
富士ゼロックスは一気に飛躍しました。
コピー機を売らずに、コピーを売る。
この微妙な差に気づくか否かによって、
事業の盛衰が決まると言っても過言ではありません。

 

四、われわれの成果は何か

成果というのは売り上げや利益のことだと思いがちですが、
大事なのはお客様がどうよくなったかです。
医者であれば患者さんの病気が治ることですし、
学習塾であれば生徒が第一志望に合格することですし、
コーチであれば選手が金メダルを獲ること。

 

私の経験上、一~四の問いについて答えを出すまでに
半年ほどかかりますが、ここまで話し合ってくると、
メンバーの中に共通した考えが生まれるようになり、
バラバラだった経営陣がいつの間にか
一体感のある経営チームに変化していきます。

 

五、われわれの計画は何か

計画とはただ数字を立て、スケジュールを
組めばいいわけではありません。
事業を底上げするための目標を立てることだと、
ドラッカーは言っています。喜んでくださるお客様を
どれくらい増やすのか、どう増やすのか。そのために、
人、金、物、時間、情報などの経営資源をどうやって手に入れ、
活用するのか、という目標を立てた上で、役割分担し、
実行していく。

 

立てた計画を実行した結果、うまくいくこともあれば、
うまくいかないこともあるでしょう。それらを振り返り、
軌道修正を重ねていくことで、生きた経営チームが
でき上がっていくのです。

(原稿は出版社の編集者によるものです)

続く…

 

□ 1.ドラッカーの教えに基づき企業を発展へと導く

□ 2.3度にわたるドラッカーとの出逢い

□ 3.経営チームの第一歩は主語を「われわれ」にすること

□ 4.ドラッカー5つの質問

☑ 5.人材育成の秘訣とリーダーの条件

□ 6.自分で自分を陳腐化させる

 

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ドラッカー5つの質問 山下 淳一郎

成功を収めている企業は、「われわれの事業は何か」を問い、
その問いに対する答えを考え、明確にすることによって
成功がもたらされている。

ピーター・ドラッカー

 

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