第一に問うべきは、機会は何か、ニーズは何かである。
第二に問うべきは、それはわれわれ向きの機会かである。
われわれならばよい仕事ができるかである。われわれは卓越しているか、
われわれの強みに合っているかである。
第三に問うべきは、心底価値を信じているかどうかである。
ピーター・ドラッカー
考えの違いが明るみになる
本日は、某企業のトップマネジメントの方々への
コンサルティングでした。丸一日、使命について、
7名の経営チームの方々とともに、話し合いを行いました。
同じ組織で同じ事業を行う人であっても、
出て来る内容はそれぞれ違うものです。
その違いに多くの経営チームが驚かれます。
日頃、基本的なことで考えが一致していると
信じていたものが、いざ意見を交わすと
考えの違いが明るみになります。
じっくり話し合うということの重要性を
あらためて痛感させられた日でした。
使命と言っても、パッとでてくるものではありませんし、
パッと決まるものでもありません。
考える、話し合うという思考労働は
割けて通れません。使命は次の3つのことが必要であると
ドラッカーは言っています。
ぜひ、御社でも、その3つのことについて
一人ひとりの考えを出し合い、話し合ってみてください。
一、機会は何か、ニーズは何か
機会とはお役にたてるチャンスであり、
ニーズとはあることに困っていたり、
悩んでいる人がいるということです。
どんなに「わが社の使命こうだ」といっても、
それを必要としている人、または会社がいなければ、
ただの独りよがりになってしまいます。
何らかの解決を求めている人がいて、
その人のお役に立つことができるから使命が成り立つのです。
御社にとっての機会、ニーズは何でしょうか。
二、われわれの強みは何か
医療の世界は、脳外科、歯科、内科、外科、整形外科と、
様々な専門分野があります。一人の医師があらゆる病気に詳しく、
何から何まで治療できるわけではありません。
一人の医師ができることは、自分の専門分野に限られています。
歯医者は、風邪を治すことについてはよい仕事を期待できません。
風邪であれば、内科の医師向きのものであり、内科の医師ならば
よい仕事ができます。同じように、一つの会社があらゆることに詳しく、
ありとあらゆるサービスを提供できるわけではありません。
企業も必ず得意分野があり、得意なやり方があります。
一つの企業ができることは、何かの得意分野に限られているのです。
御社が得意するものは何でしょうか
三、心底価値を信じているかどうか
事業に対する揺るぎない思いがあるかどうか。
スターバックスが日本進出を検討していたとき、
多くの専門家が反対しました。その理由は、
「日本にはすでに定着したコーヒーの文化がある」、
「日本にはすでに多くの喫茶店がある」、
「日本人は飲み物を持って歩かない」、
「日本人はコーヒーの質なんて気にしていない」、
「日本人は店内の雰囲気は関係ない」、
「日本人に禁煙は受け入れられない」というものでした。
しかし、1966年スターバックスは海外進出の第1号店を日本に出しました。
予想に反して、開店15分前には、50人以上の長蛇の列ができました。
現在の日本での年間売上は10億ドル。日本の店舗数は1000店を超えています。
スターバックスは成功を収めました。スターバックスが専門家の見解に動じないで
事業を進めたのは、CEOのハワード・シュツル氏が
事業の価値を信じていたからです。揺るぎない強い意志が不可能を可能とします。
御社が心底信じている事業の価値とは何でしょうか。
詳しくは、こちらでお読みになれます
ドラッカーが教える最強の経営チームのつくり方 | 山下 淳一郎
人間関係に関わりなく、トップマネジメントはチームとして機能しなければならない。
ピーター・ドラッカー
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ピーター・ドラッカー
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