良い組織は勝手には出来上がらない。勝手に進化するのは、
混乱、摩擦、間違った成果. である。
ピーター・ドラッカー
命令系統に秩序がなければ組織は崩壊する
創業〇〇年、年商400億、従業員数1000人の
某メーカーであることが起こっていました。
その企業のトップマネジメントは取締役会と経営チームという
組織構造で、取締役会は会長、副会長、
経営チームは社長、専務、常務、取締役2名の5名体制です。
経営チームの一人である常務は、世に言う典型的な鬼軍曹タイプです。
海外営業部、国内営業部、研究開発部、製造部、
品質管理部、総務部という組織に分れ、
各部に所属する社員は各部の部長の命令のもと動いています。
あまり前のことですが、これが組織の姿です。
ところが、研究開発部の社員さんからこんな話しを聞きました。
「毎日、上司を飛び越えて常務から直接指示が来るんです。
私は、研究開発部の人間なので、研究開発部長の指示に
従うべきなのですが、常務の指示も無視するわけにもいかないので、
どうしていいか困っています。もちろん研究開発部長も困っています。
うちの会社はいつも現場が混乱しています。
何かいい解決方法はないものでしょうか?」
という話しでした。
他の部署の人の話しを聞くと、研究開発部のほか、
全て部署で同じことが起こっていました。
この会社の常務は、全ての部署の社員に
直接指示を出していたのです、経営チームが現場を混乱させ、
経営チームが成果があがりにく状態を生んでしまっていたのです。
組織はある一定の規模に達すると秩序が必要です。
道路は事故が起きないように交通ルールがあり、
ドライバーはそのルールを守って運転しています。
同じように、会社も現場が混乱しないように、
組織にルールがあり、全員がそのルールを守って
仕事にあたらなければなりません。
命令系統に秩序がなければ、社員も仕事も破壊され、
組織も崩壊してしまうからです。
もし、専務、常務、取締役がそれぞれが
担当する領域において、それぞれがそれぞれの思惑で、
各所に対して個別に指示を発信したら組織は大混乱に陥り、
業務は度あるごとにエンストしてしまいます。
なぜ、このような状態に陥ってしまうのでしょうか。
ドラッカーはこう言っています。
良い組織は勝手には出来上がらない。
勝手に進化するのは、混乱、摩擦、間違った成果. である。
ピーター・ドラッカー
現場の混乱を未然に防ぎ、組織が成果をあげやすくことが
経営チームの役目です。1000人規模の組織になれば、
社長、専務、常務といった最上層部にいる役員は、
未来に対する働き掛けが主たる仕事になり、
直接現場に関わる機会は少ないものです。
実際、私が1000人規模の組織で働いていた時、
社長、専務、常務が直接に現場に関わり、
現場に指示をする場面を見たことはありません。
各部の部長が現場を仕切っておりました。
1000人規模の組織の最上層部にいる 、
社長、専務、常務が直接現場に関わるのは
社員を焼肉に連れて行く時くらいです。
現場が混乱しないために、次の下記の2つを
厳守されることをお勧めしまます。
一、部長への指示は経営チームのリーダーのみが行うものとする。
二、社員への指示は部長のみが行うものとする。
ドラッカーを学びたい社長様へ
基本と原則に反する者は例外なく破綻する。
ピーター・ドラッカー
今以上に事業を伸ばしていくためには基本と原則は不可欠です。
さらなる発展のために、ドラッカーを学びましょう。