上司をマネジメントすることは、上司との間に信頼関係を築くことである。
ピーター・ドラッカー
ドラッカーが教える「上司から評価される仕事術」
会社は上司の評価が9割
副社長、専務取締役、常務取締役、取締役など、
経営者としての役職を持っている人であっても、
社長という上司がいます。
社長には上司はいないと思う人が多いですが本当にそうでしょうか。
「上司とは、同じ組織内の上役だけではなく、
成果に影響を与える人のことであると
ドラッカーは言います。
上司に対して部下はどうあるべきか、
というテーマで新連載をスタートしました。
以下その一部を紹介します。
上司に悩むあなたへ
マネジメントと言うと、部下を動かす方法、
部下の目標を管理する方法といった方法論を思い浮かべる人は多い。
まるで、マネジメントは部下を動かす魔法の杖であるかのようだ。
また、マネジメントというと、上司の立場に立った物言いがほとんどだ。
まるで、マネジメントは上司が部下に行うものかであるかのようだ。
今回の連載では、「部下は上司をどうマネジメントすればいいのか」
をお伝えしている。
あなたはこんな日々を送ってないだろうか
・上司の仕事のやり方に疑問を感じるときがある。
・上司から正しく評価されていないと思うときがある。
・上司との人間関係に行き詰まりを感じている。
・上司の言動に、かなりのストレスを感じている。
・上司のコミュニケーションに限界を感じている。
・今の上司の下で仕事をしても成長できないと思う。
・上司とこれ以上、うまくやっていけないと感じている。
・上司との関係が9割 あなたは正しく評価されているか?
一度しかない人生。私たちは人生の時間の多くを仕事に使っている。
仕事で使うエネルギーのほとんどが人間関係と言っていいだろう。
そして、あなたが一番エネルギーを使っているのが上司との関係である。
自分の評価は自分の能力で決まる
残念ながら、現実は違う。あなたの評価を決めるのは、
あなた本人ではなく、あなたの上司だ。
たとえ、あなたがどんなに優秀であっても、
あなたの上司があなたを正しく評価してくれるとは限らない。
それが、現実だ。
あなたが受けている影響
あなたの上司が、あなたをどう評価するかで、
あなたの給与、あなたの昇給、あなたの賞与、
そして、あなたの昇格、あなたの出世まで、何から何まで、
あなたの全てが決まる。
恐ろしいことに、あなたの上司は、あなたの年収、
あなたの経済力を決定する権限を持っているのだ。
上司の評価が、あなたの人生に与える影響はとてつもなく、
その大きさは計り知れない。
上司はあなたの年収にも影響を与える存在
200年前、私たちの社会では労働人口の90%が力仕事で、
知識や技術を使ってする仕事は10%にすぎなかった。
当時、力仕事に従事する人は、
「夕方5時までに大きな石を100個運んでください」
と指示を受けたら、言われた通りに働くのが仕事の基本だった。
上司はただ命令する人、部下は命令に従う人だった。
しかし、技術の発達で人間がやっていた力仕事は
機械がやってくれるようになり、多くの力仕事は、
知識や情報を使って行う仕事に変わった。
今は社会人1年生でも、出社したら
メールチェックをするか電話をするか、
または打ち合わせをするか、自分で判断して仕事している。
新人であっても、その働き方はまるで
一昔前の中小企業の社長と同じだ。
知識や情報を使って行う仕事をしている上司の仕事は、
「指示や命令を出すこと」ではなく、「方向づけをすること」に変わった。
そして、知識や情報を使って行う仕事をしている部下は、
「言われた通りに体を動かすこと」ではなく
「自分で考えて成果をあげること」に変わった。
今日の社会は、
「ITmedia エグゼクティブ 会社は上司の評価が9割」へ