機会、達成、自己実現、価値を必要とする
知識労働者も、経済的な報酬を要求する。報酬の不足は問題である。だが、報酬だけでは十分でない。知識労働者は機会、達成、自己実現、価値を必要とする。彼らは、自らを成果をあげる者にすることによってのみ、それらの満足を得ることができる。
ピーター・ドラッカー『経営者の条件』
価値ある仕事、価値ある目標、価値ある挑戦とは
最近、あの社員は成長していない。これは、経営者の方からしばしば聞く言葉です。人が成長するのは、挑戦的な仕事によってのみです。入社以来、同じ仕事をさせているのであれば、むしろ成長が止まって当然です。成長せざるを得ない仕事を与えていない側に課題があるのです。
ところで、御社の成果は何でしょうか?。このように問うと、ほとんどの経営者は、「売上ですよ」と即答されます。本当にそうでしょうか?。本当に、売上、利益以外の成果はないのでしょうか?。事業は、お客様に向けられたものです。事業が最終的にたどり着くところはお客様です。であるならば、成果は、お客様で起こる良い変化でなければなりません。成果は、組織の中ではなく、組織の外にあるものです。お客様のところにあります。そして、社員は仕事で成果を出し、社会で貢献している実感を得たいと願っています。
売上以外の成果を定義することが、社員一人ひとりの責任感と誇りを促し、社員一人ひとりの力も発揮され、社員一人ひとりの成長の機会をつくっていくのです。 まさに、「知識労働者は機会、達成、自己実現、価値を必要とする」、です。価値ある仕事、価値ある目標、価値ある挑戦が、社員さんの力を120%引き出すことにつながります。