マネジメントには基本とすべきもの、原則とすべきものがある。
それらの基本と原則は、それぞれの企業、文化、
状況に応じて適用していかなければならない。
基本と原則に反するものは、例外なく破綻する。
ピータードラッカー
基本と原則に反するものは、例外なく破綻する
私のマネジメントとの関わりは、第二次大戦中、当時の最大最強の自動車メーカーGMでの調査に始まり、アメリカの大手鉄道会社と病院チェーンへのコンサルティング、カナダの政府機関再編への協力、日本の政府機関、企業への助言と進んでいった。
それらの経験が私に教えたものは、第一に、マネジメントには基本とすべきもの、原則とすべきものがあるということだった。第二に、それらの基本と原則は、それぞれの企業、政府機関、NPOのおかれた国、文化、状況に応じて適用していかなければならないということだった。第三に、基本と原則に反するものは、例外なく破綻するという事実だった。基本と原則は、状況に応じて適用すべきものではあっても、断じて破棄してはならないものである。
ところが私は、当時、経験豊かな成功している経営者さえ、それらの基本と原則を十分把握していないことに気がついた。そこで私は、数年をかけて、マネジメントの課題と責任と実践にかかわる基本と原則を総合的に明らかにすることにした。
世界中の先進社会が転換期にあるなかで、日本ほど大きな転換を迫られている国はない。日本は、他のいかなる国のものよりも大きな成果を上げた。そしてまさにそのゆえに、今日危機に瀕している。それらの多くは徹底的な検討のもとに再設計しなければならない。今日の経済的、社会的な行き詰まりが要求しているものがこれである。
2001年11月にドラッカー教授が言われたこと