強みのみが成果を生む。弱みはたかだか頭痛を生むくらいのものである。
しかも弱みをなくしたからといって何も生まれはしない。
強みを生かすことにエネルギーを費やさなくてはならない。
ピーター・ドラッカー『経営者の条件』
人の強みを最大限に生かす
わたしたち人間は、強みよりも弱みに関心が奪われがちです。
苦手な科目を克服するという義務教育を経験しているからです。
いつしか、人を伸ばすためには欠点を修正することであるかのような
思考習慣が身に付いているからです。
人は、優劣の前に一人ひとりが異なる存在です。
人はそれぞれ価値観も考え方も異なります。視点も違います。
解釈の仕方も違います。かつ、所属部門や置かれている立場によって
見えるものも大きく違います。分かり合えて当然と考えるこちら側の勝手が、
望遠鏡となって相手の弱みをくっきりと映し出します。
人が持つ弱みによって大参事を招くことがあれば、
その原因はその人にあるのではなく、経営者自身にあるのです。
弱みの克服にエネルギーを費やすよりも、
強みを生かしてどう成果をあげてもらうかにエネルギーを費やした方が
はるかに価値的です。
まさに、「弱みをなくしたからといって何も生まれはしない」、です。
また、それが資源を成果に変える役割を担う、経営者の仕事です。
ぜひ「一人ひとりの強み」を見つけてそれを最大限に生かしてください。