組織としての目的は際立って明確でなければならない。単純でなければならない。さもなければ混乱する。明確で焦点の定まった共通の目的だけが、組織としての一体性を保ち、成果をあげさせる。
ピーター・ドラッカー『マネジメント』
頑張っているが成果があがらない
それは、組織の労力が分散しているからです。組織の力が分散してしまっては、本来あげられるべき成果さえあがらなくなってしまいます。いろいろなことに取り組んでいる時に限ってそのような状態に陥ります。つまり、"あれもやろうこれもやろう"といった状態です。ドラッカー教授は、成果をあげる秘訣として集中することを強調されています。
それは、なぜそのような状態に陥るのでしょうか。それは、組織としての目的が明らかにされていないからです。従業員一人ひとりが共通の目的ではなく、それぞれの成果を追求してしまっているため起こります。「それぞれの組織がそれぞれの成果を追求する」のではなく「それぞれの組織が組織全体に与える良い影響を成果にする」とうまくいきます。
組織は、価値観の異なる複数の人間が同じ条件下のもと行動する集団です。共通の目的を明らかにしなければ、方向性を持たないそれぞれの価値観が右往左往するための状態になってしまいます。ぜひ、明確で焦点の定まった共通の目的を明らかにし、組織が本来あげるべき成果に集中できるように手を打ちましょう。