ほとんどの事業が二種類の顧客をもつ。その両方が買ってくれなければならない。生活用品のメーカーは主婦と小売店という二種類の顧客をもつ。主婦に買う気を起こさせても、店が品をおいてくれなければ何もならない。
ピーター・ドラッカー『マネジメント』
満足させるべき相手はどのような人なのか
今日は、終日、経営会議に同席させて頂きました。次年度に向けての戦略立案がスタートした会議でした。顧客とは、満足させるべき人、です。顧客というと、会社に何らかの形でお金を払ってくれる人のように思えてしまいます。しかし、お金を払ってくれる人だけが顧客ではありません。たとえば、ご夫婦がお車を購入されるときに、どんな車を買うかを決めるのはご主人ではなく奥さんであることが多いそうです。このように、車を運転する人とどの車を買うかを決定する人と複数の顧客がいます。
最終的にどの車を買うかを決める奥さんに対して、どのように説明するのが最適か、どのようなカタログにするのがもっとも良いか、と言ったことを考えずに事 業を進めてしまうのと、充分にそれらのことを考えたうえで、事業を進めるのとでは、大きな差が出ることは言うまでもありません。車だからといって運転されるであろうご主人だけを顧客と思い込んでしまえば、大事な機会を逃してしまいます。
したがいまして、商品またはサービスを買ってくれる人、使ってくれる人、決めてくれる人など、具体的には下記のように、複数のお客さまがいます。「満足させるべき相手はどのような人なのか」を徹底的に考え抜いていくことによってはじめて、お客さまを創り出していくことができます。事業の内容や進め方を決めるのは、"満足させるべき相手"なのです。そこに目が向けられていなければ、どんな素晴らしい戦略があったとしても、それは「意味のない理論」に過ぎません。なぜならば、それは"労ありて生むものなし"となるからです。そうならないために、「満足させるべき相手人」に目を向けるところからスタートすることをおススメいたします。
- それを、買ってくれる人
- それを、使ってくれる人
- それを、決めてくれる人
- それを、運んでくれる人
- それを、教えてくれる人
- それを、つくってくれる人
- それを、売ってくれる人
- それを、伝えてくれる人
- それを、支援してくれる人