仕事の関係に人間関係がからむと、時間はさらに必要になる。
急げば摩擦を生じる。あらゆる組織が、仕事の関係と
人間関係の複合の上に成り立つ。 ともに働く人が多いほど、
その相互作用だけで多くの時間が費やされる。
仕事や成果や業績に割ける時間がそれだけ減る。
ピーター・ドラッカー『経営者の条件』
良くない組織7つの症状
忙しいのに事業が成長しないことは、極めて深刻な問題です。重症です。医学に例えると、治療の効果がないのと同じです。治療の効果がないことを言い換えれば、不治の病であり、死は時間の問題だからです。事業の場合、不治の病はありません。あるのは、不治の病を放置する経営者がいるだけです。
仕事がこうすれば必ずうまくいく!という方法はありません。なぜならば、どんなに優れた理論やノウハウもそれを使うのは人間だからです。組織の運営もこうすればうまくいくというものはありません。しかし、いくつかの原則はあります。内容の正確性を損なわないために、後ろ向きに映る表現は本意ではありませんが、気を付けるべきポイントという角度でお話させて頂きます。
多くの人は忙しい割りに重要な仕事に時間が使えない状況下に置かれています。特に経営者は心を使うことに多くの時間を費やしています。それは心を砕かなければ考えが伝わらないからです。言わずともわかるだろうと考え、人との関わりを怠ればそこに必ず摩擦が起こります。一人ひとりが仕事を円滑に進められる状態をつくるために、6つのことがないように工夫をしてください。
- 組織の階層が多い
- 兼任が多い
- 部門間の摩擦が頻繁に起こる
- 従業員の関心が的はずれの問題に注がれてしまう
- 大人数の会議が頻繁に開かれる
- 人の感情や好き嫌いに過剰に気を使う
- 調整役がいないと進まない