事業の定義は検証していかなければならない。石板の碑文ではない。事業の定義のなかには、長く生きつづける強力なものがある。しかし、あらゆる事業の定義が、やげて陳腐化し実効性を失う。
ピーター・ドラッカー『未来への決断』
自ら多様性を創生しながら生き残る
1837年、エルメスの前身が生れました、当時は小さな馬具メーカーでした。1870年頃になると自動車が普及し、馬車は移動手段として利用されなくなりました。しかしエルメスは、革と金具を扱う強みを生かしてハンドバックや財布などをつくり繁栄していきました。もしエルメスが馬具をつくり続けていたら倒産していたに違いありません。1920後半、エルメスはさらに腕時計、アクセサリー、香水など事業を充実させていきました。
どんな優れたものも必ず陳腐化していきます。お客さまのお役にたち続けるためには、事業を進化させていかなければならないのです。あらゆる生命が自ら環境に適応しようと試みるだけではなく、環境の変化に対して自ら多様性を創生しながら生き残れるように工夫しています。その生命の力を事業に持たせることこそ、経営者の仕事です。
その取り組みが、ドラッカー5つの質問「われわれの事業は何か」にはじまる、「われわれの事業は何になるか」、「われわれの事業は何であるべきか」です。もしかすると、ドラッカー5つの質問は御社の事業に進化の手掛かりを与えてくれるかもしれません。『もしドラ』の岩崎夏海さんとの講演はこちらです。