われわれの事業は何かという問いを発し、その問いについて十二分に検討し、正しく答えることこそ、トップマネジメントの第一の責任である。この問いを怠る時、ただちに事業の急速な衰退がやってくる。
ピーター・ドラッカー『現代の経営』
社会に対する責任感を一人ひとりの心に打ちたてる
終わりのない挑戦があってこそ、終わりのない成長を継続することができます。さらに向上しようとする志は、弱い心を打ち砕き、終わりのない挑戦をもたらしてくれます。少なくとも、さらに目指すものをはっきりさせることによって、惰性に甘んじることへの厳しさを保つことができます。
しかし、賛辞を浴びることが目的になった途端、事業として、人としての道を誤ってしまいます。それは「より優れた存在になる志」が「より優れた存在に思われたいという虚栄」に変わるからです。自分を見失い、知らぬ間に他社とのつまらない比較にに支配されてしまいます。
目には見えない志と虚栄を分けるものは何か。それは、「心に打ち立てらた社会に対する責任感」です。どんなに優れた会社であっても、社会に対する責任感を持たなければ、そこで働く人は仕事への価値を信じることができなくなってしまいます。社会に対する責任感を一人ひとりの心に打ちたて、働く一人ひとりに、働く価値を提供することこそが、経営者の第一の責任です。そのことについて怠る時、事業は衰退してしまいます。、数字や組織内の都合だけに追われることなく、ぜひ、働く一人ひとりに働く価値を追求し続けていってください。