オーナー起業家に天才的なひらめきがあるというのは神話にすぎない。私は40年にわたってオーナー起業家たちと仕事をしてきた。天才的なひらめきをあてにするオーナー起業家は、ひらめきのように消えていった。
ピーター・ドラッカー『未来企業』
お客様の新しい満足を創り出す
良い新規事業はないか・・・。こんな事業をはじめようか・・・。経営者は日々「次はどんな手を打っていけばよいか」ということについて考え続けています。時によっては、それが、深刻な悩みとなって迫ってこともあるかと思います。事業とはお客様に喜んで頂くことです。したがって、新しいこととは、「お客様の新しい満足を創り出す」ということです。
ところが、そう簡単にうまくいかないのが現実です。思いつきやせっぱ詰まった急場しのぎで進めてしまえば、かえって会社の方向性を狂わせ、現在の事業に不要な負担を追わせてしまうことになりかねません。ドラッカー先生は、「お客様の新しい満足を創り出す」ために、事業を新しい次元に進化させる具体的な取り組みを教えてくれています。しかも成功率の高い取り組みです。その取り組みを「イノベーション」と呼んでいます。
「イノベーション」を起こすチャンスを次の7つの視点で探していく。それが、成功確立率の高い取り組みです。言うまでもなく、今日それを実行して今日チャンスが見つかるという類のものではありません。7つの視点について、週に1回レポートを書いてもらい、それを月に1回集計するものよいでしょう。そのような地道な取り組みの中から事業機会は生み出されていくのです。ぜひ新しいチャンスを見つける取り組みを日々の仕事にしていってください。
- 思ってもみない成功、失敗、要望
- 本来こうあるべきなのに現実はそうなっていないこと
- お客様が困っていること
- 市場に起こっている変化
- 時間の経過によるお客様の年齢
- 考え方や価値観の変化
- 新しい技術や新しい理論