トップマネジメントの役割が、多様な能力と資質を要求しているという事実が、トップマネジメントの役割のすべてを複数の人間に割り当てることを必須にする。さもなければ、致命的に重要な仕事が放置されたままとなる。
ピーター・ドラッカー
経営を一人で行うことは不可能!
経営者の仕事とは、「考えること」、「決めること」、「行動すること」、この3つに尽きます。こういうと、経営者の仕事がいかにもシンプルに聞こえてしまいますが、「考えること」はあまりに多く、「決めること」はあまりに複雑で、「打つべき手」はあまりにも多岐に渡ります。経営者の考えること、決めること、行動の質が会社の運命を決めていきます。考えること、決めること、行動することとはどんなものがあるのでしょうか。
たとえば、事業の目的を定義し、未来のあるべき姿を描き、経営計画をたてる。事業を点検し、資源を再配分し、軌道修正を行う。人の強みを理解し、従業員のやる気を引き出し、従業員を育成する。仕事の成果を評価し、人事の決定を行い、人材を配置する。戦略を立て、組織をつくり、部門間の対立があればその調整に入る。幹部との意思疎通や社員と懇談を行い、社員の冠婚葬祭や業界の行事などに参加する。このように例を挙げれば、切がありません。
経営者が必要とする、様々な知識を一人で備え、様々な能力を一人で養い、様々な役割を一人でこなすことはもとより不可能です。ゆえに、経営は、複数の人間で協力し合いながら進めるものなのです。まさに、「トップマネジメントの役割のすべてを複数の人間に割り当てることを必須にする」、です。経営者の仕事の大変さは、前述した、考えること、決めること、行動することは一人でできない点にあります。だから、経営はチームによる仕事として組み立てなければならなのです。「さもなければ、致命的に重要な仕事が放置されたままとなる」、です。ぜひ、トップマネジメントチームをつくってください。