成果は自動的に生まれるものではない。
ハウツーによって簡単にできることではない。
試行錯誤で得られるものでもない。
成果をあげるのは、適切なことを適切に行うための
意思決定の能力が必要である。
ピーター・ドラッカー
何が最も適切なのかを決める時間をもつ
今日は、「何が最も適切なのかを決める時間」というテーマでお話させて頂きます。先日、ある会長とお話する機会がありました。2時間ほどお話したでしょうか。いいえ、2時間ほど聞き手に徹していました。私が話した時間をストップウォッチで測ったら恐らく10分もなかったと思います 笑。その会長さんがお話されていたことを一言で言い表すと、「あるセミナーで聞いたいい方法をやってみたがうまくいかない」というものでした。多くの時間と多くの労力を費やしてよくない結果になっていることに気の毒さを押さえきれずにただひたすらお話を聞いていました。
頭痛であれば、頭痛薬を服用すれば、時間の経過とともに頭痛は消えてなくなるでしょう。しかし、組織は何か方法を取り入れたからとって、自動的に成果があがってくれるわけではありません。たとえどんなにいい金槌や鉋を使っても自動的にいい家が建てられるわけではないのと同じです。「ハウツーはただの道具に過ぎない」、のです。まさに、「成果は自動的に生まれるものではない。ハウツーによって簡単にできることではない」、です。
成果をあげるためには、どのように行うかを決める前に、何が最も適切なのかを徹底的に考える必要があるのです。まさに、「適切なことを適切に行うための意思決定の能力が必要である」、です。事実(!)、いろいろな方法を知っている経営者よりも、どう考えればいいかを知っている経営者の方がうまくいっています。知識がある人より知恵を出している人が会社を発展させています。これには例外がありません・・・。いま以上の成果をあげるために、「何が最も適切なのかを決める時間」を日々つくってください。