事業の定義は、目標に翻訳しなければならない。そのままではせっかくの定義も、決して実現されることのない洞察、よき意図、よき警告に終わる。ここでいう目標とは、具体的な目標である。抽象的であってはならない。
ピーター・ドラッカー
リベラルタイム誌 10月号 ドラッカーの金言! 山下 淳一郎
私は、経営者が経営計画をつくる際にそのお手伝いをさせて頂くことがあります。経営計画を立てるということは、経営目標を明らかにするということです。立てた目標を達成する会社とそうでない会社があります。目標を達成できない会社は、なぜ、目標を達成できないのでしょうか?。 目標をたてる時に方針が出力される場合があります。たとえば、次のようなものです。
- 〇〇を徹底する。
- 〇〇を増やす。
- 〇〇を減らす。
- 〇〇を最適化する。
- 〇〇を強化する。
- 〇〇を効率化を図る。
- 〇〇を加速させる。
- 〇〇を円滑化する。
これらは、「そうでありたいもの」です。つまり、方針であって目標ではありません。目標とは、あくまでも「一見不可能と思える挑戦」です。 方針はおおよその方向を示したものであり、抽象的であるために具体的なアクションが起こりません。具体的なアクションが起きないために、打つべき時に打つべき手立ては打たれず、結果として、目標は達成されません。目標を達成できない一番の理由は、「目標を達成する力がない」のではなく、「目標を達成するアクションがない」からです。目標とは「具体的な何かを具体的な何かによって具体的に変えるための具体的な行為」です。 具体的な目標とは、
- _月_日までに、新規契約を_件獲得する。
- _月_日までに、生産率を_%にする。
- _月_日までに、在庫を_個に減らす。
- _月_日までに、新店舗を_件出店する
- _月_日までに、新サービスで顧客満足度を_%にする
- _月_日までに、_人のリーダーを昇格させる。
といったものです。 目標が具体的かどうか。これが「目標を達成する会社としない会社の違い」です。これだけです。経営者の考えが、決して実現されることのないよき意図に終わらないためにも、 「抽象的ではない具体的な目標」をたててくださいね。