なされるべきことを考えることである。何をしたいかではないことに留意してほしい。なされるべきことを考えることが成功の秘訣である。これを考えないならばいかに有能であろうとも成果をあげることはできない。
ピーター・ドラッカ
会社を成長させていくために
あらゆる会社が何らかの事業を行っています。成果をあげるのは現場の役目であり、成果が上がる状態をつくるのが経営者の役目です。多くの取締役は一つの部門の責任者を兼任しています。しかし、担当部門の仕事に忙しすぎて、経営の仕事に手が回らないのが現実です。事実、話し合うべきことを話し合う十分な時間が取れません。その結果、意思の疎通が得られず、共通の考えをつくり出す事ができず、決めるべき事が決まらず、打つべき手立てが打てない状況を招いてしまいます。一ヵ月全力で駆けずり回った割には月末に何も残らないのは、時間に追われている典型的な例です。目に見えてあらわれてくる事象は、次のようなものだ。
- マンネリから脱せず際立った変化も起こらず数年が過ぎている。
- 役員の考えがバラバラで会社としての考えが組織に柱になっていかない。
- 重要でない事が話し合いによって決定され、重要な事は話し合われずに決定されている。
- 事業の考え、将来のビジョンを社員に共有されていない。
- 会社は事業の目的を忘れ売上だけを追いかける姿になっている。
こうして、会社を発展させたいと云う意志に反して経営は疎かになり、気が付かないうちに会社は成長する力を失ってしまいます。その一方、多くの取締役、執行役員は熱心に経営を学ばれています。しかし、それらは知識を身に付けたり、スキルを高めることで解決できる類の問題ではありません。たとえ優れた知識を身に付けても経営の仕事そのものにあたれる時間を持つことができないからです。空回りどころかバットを振る機会さえありません。では、社長、取締役、執行役員が、経営の仕事にあたれる時間を確保し、会社を成長させていくためにどうすればいいのでしょうか?。はたしてそんな秘訣がこの世にあるのでしょうか。あります。続きは・・・
(月刊BOSS 3月号より一部抜粋)