会社の経営にもいくつかの計器が必要である。計器の数はそれほど必要ない。
五つもあれば、自社がいかに事業を行なっているか、
正しい方向に向かっているか否かを知ることができる。
ピーター・ドラッカー
必要なのは絶対値ではなく傾向
上場企業は、投資家から短期的な利益の
強烈な追求を日々浴びています。
経営者はその追求に合わせていかざるを得ません。
その一方で、短期的な利益の追求は経営判断を
誤らせることを経営者自身は理解されています。
そこで必要なのが、会社の経営状態を正しく見る計器です。
その計器で会社の実態を見れば、事業が正しい方向に
向かっているかどうかを把握することができます。
ここで必要な情報は絶対的な数字ではなく傾向性です。
自分たちの事業は正しい方向に進んでいるのか、
自分たちの業績はどうなっているのか正確につかむことができれば、
いち早く方向転換の必要にも気づくことができます。
1.市場における地位
市場における地位は上がっているか、下がっているか、
競合に出し抜かれているならば要注意と言えるでしょう。
それは、事業を新し次元に進化させる取り組みを怠った結果です。
未来のお客様を創り出す取り組みをはじめてください。
2.イノベーションの成績
イノベーションに取り組みつつも、製品やサービスになるまでの時間が
長期化していたり、イノベーションの成功と失敗の比率が
改善されていなければ、事業の衰退がはじまっている証拠だからです。
重要な事は、「他社よりもイノベーションに成功すること」ではなく
「成長分野にイノベーションを集中させること」です。
3.生産性の成績
生産性とは、言うまでもなく「費やした労力や
資金に対する見返りのこと」です。
現在、多くの組織で生産性の低下が起こってい
る。生産性の向上に取り組むことによって、
早い時期に競争優位に立つことができます。
4.キャッシュフロー
キャッシュがなければ利益のあがる事業を
手放さざるを得なくなります。
キャッシュがあれば利益が出なくても
長い間何とかやっていけます。
その間何か手を打つ猶予を持つことができます。
5.収益性
収益性とは、利益を生み出す能力のことです。
経営者の能力がここにあらわれます。収益性の向上は、
一定の製品を生産、販売、サービスするために
必要とする資金の量を減らすか、
一定の資金でより多くの製品を生産、販売、
サービスすることによって実現されます。