先進国が今日の社会を維持するには、
知識労働の生産性を上げるしかない。
ところが、その知識労働の生産性が世界中で頭打ちとなっている。
ピーター・ドラッカー
これが、直面している課題の本質
”部下にちゃんと成果を上げてほしい”。
”部下にもっと活躍してほしい”。
あらゆる上司はそう願い、部下の仕事振りに悩んでいます。
部下もさらに成果を上げたい、もっと評価されたい。
そう願いながら上司の言葉に悩んでいます。
上司も部下も想いは同じです。
にも関わらず、上司と部下の間には、
理屈では割り切れない「もやもや」があるものです。
上司は、組織を預かり、組織で成果をあげる責任を担ってるため、
上司は上の方針によって動く会社としての人間です。
部下には上司の心労は見えないものです。
ひと昔前、仕事のほとんどが肉体労働でした。
その時代にマネジメントが生まれました。
「マネジメントは上司が指示命令をして部下をうまく動かすことである」
と私たちは教えられてきました。
事実、肉体労働は指示命令によって部下を駆り立てることができました。
しかし現在は仕事のほとんどが知識労働です。
知識労働とは、知識や情報を使って付加価値を生む仕事のことです。
マネジメントの勝手がすっかり変わってしまいました。
この勝手の変化が、上司と部下を関係を複雑にしています。
いまや、部下を指示命令で動かすことはできません。
部下本人に自発性をもって働いてもらわなければ、
どうにもならないのです。
部下がより成果をあげられるようにするために、
上司は何をどうすればいいのでしょうか?。
ドラッカー教授はこう言っています。
先進国が今日の社会を維持するには、知識労働の生産性を上げるしかない。
ところが、その知識労働の生産性が世界中で頭打ちとなっている。
ピーター・ドラッカー
上司が至らないのでもなく、部下が至らないのでもありません。
先進国がぶつかっている壁であり、企業がぶつかっている壁です。
その壁が上司と部下に表れているだけに過ぎないのです。
私たちが直面している課題は、「上司が部下をどう動かすか」
ということではなく、「知識労働の生産性をどう上げるか」
ということです。
そんな背景の中、現在、各社企業様で
ドラッカー勉強会を月1回行っています。
そのドラッカー勉強会は、一方的に講師の話を聴くものではなく、
自分たちの事業について意思決定をしていく取り組みです。
たとえ優れた知識を得たとしても、自分たちの事業や、
自分たちの組織のことについて具体的に置き換えて考えなければ
結果として何も起こりません。会社に必要なものは成果です。
「知った」で終わってしまっては成果は生まれません。
現実的に、自社のことについて考えを巡らせるによって、
本物の成長が築かれていきます。
それを1年間にわたって取り組んでいます。
本日は、「知識労働の生産性をどう上げるか」というテーマで、
7つの角度から、組織について、業務について、部下について、
様々な考えを巡らし、多くの決定を持って帰って頂きました。
その新たな決定によって、新たな行動が生まれ、
新たな行動によって新たな成果を
つくりあげていってほしいと願っています。
1.本来の仕事は何か?
2.一番力を入れるべき仕事は何か?
3.達成すべき成果は何か?
4.成果を何で測ればいいか?
5.自主性を発揮させるためにできることは何か?
6.どんな責任を与えるべきか?
7.継続的学習を仕事にどう組み込むか?