「私にコンサルタントは必要ない。耳を傾けてくれる人がほしい」。
そこで私に白羽の矢が立った。私は個人営業で生身の人間だ。
耳がついている。コンサルティング会社も選択肢にあったようだが、
残念なことに会社には耳がついていない。
ピーター・ドラッカー
事業をさらに繁栄させていくために
あなたは、おととい何を考えていたでしょうか?。また昨日何を考えたのでしょうか?。
そして今、何を考えられているのでしょうか?。そう聞かれてパッと答えられないと思います。
それは、あまりにもいろいろなことを考えているからです。
私たち人間は、常に何かを考えずにいられません。
一方、自分の頭の中で考えているだけでは、どうしても考えの堂々巡りが起こります。
考えの堂々巡りとは、同じことを、同じ視点で、同じように考え続けている状態のことです。
言い換えれば、考えの発展性を失っている状態です。
私たち人間のすべての行動が考えから起こっています。
ゆえに、考えに発展性が生まれなければ、行動に発展性は生まれず、
やがて事業も発展性を失ってしまいます。
経営者に必要なものは、「他者から与えられる知識」ではなく、「自ら生み出す知恵」です。
何かを生み出すのは、知識ではなく知恵だからです。
では、自分の考えを発展させるためにどうすればいいのでしょうか?
ドラッカーはあるインタビューで次のように語られました。
”「私にコンサルタントは必要ない。耳を傾けてくれる人がほしい」という経営者がいた。
そこで私に白羽の矢が立った。私は個人事業で生身の人間だ。耳がついている。
コンサルティング会社も選択肢にあったようだが、残念なことに会社には耳がついていない。”
自分の考えを発展させるために必要なこと2です。
1つは、自分の考えを言葉にすることです。
自分の考えを言葉にすることによって自分の考えをより明らかにすることができます。
2つ目は、自分の考えに対する反応を得ることです。
いずれも、耳を傾けてくれる人が必要です。会話を通して、然るべき化学反応が起きれば、
自然発生的に頭の中に知恵が生まれます。
コンサルティングを使うということは、「指導を受けること」ではなく「傾聴してもらうこと」です。
考えに善き化学反応が起き、頭の中に隠れている善き知恵が起こる状態を得ることです。
指導するコンサルタントは必要ないでしょう(笑)。
しかし、耳を傾けてくれるコンサルタントは持つと良いかもしれません。
事業をさらに繁栄させていくために、ぜひ耳を傾けてくれる人を持たれることをお勧めします。