なされるべきことを考えることが成功の秘訣である。
何をしたいかではないことに留意してほしい。これを考えないならば、
いかに有能であろうと成果をあげることはできない。
ピーター・ドラッカー
責任感によって見つけ出せるもの
なされるべきこと?
「なされるべきこと」を考える。
ドラッカーの本を読むと「なされるべきこと」という
聞き慣れない言葉が出てきます。
何年か前、こんな質問を受けました。
「なされるべきことって、自分が誰かに何をされるかを
覚悟するってことですか。いさぎよく受け身になれ
ということでしょうか。」まったく違います(笑)。
「なされるべきこと」についてお伝えします。
ある大学から引き抜かれて学長を引き受けた人がいました。
学長に就任し、学内の実情を知ると、その大学は瀕死の状態でした。
彼は半泣きで、ドラッカーにところに相談に行きこう言いました。
「学長に就任したものの大学は財政難で、
あと何年かで潰れてしまいます。」
ドラッカーは彼にこう言いました。
「資金集めをできるのはどの大学でも学長だけですよ。」
その後、その学長は、学内のことを任せられ人間を見つけて、
自分は資金集めに奔走しました。
学長は大きな成果をあげ、その大学は救われました。
それを見出せる力
やりたいことでもない。頼まれたことでもない。
しかし、その学長にとって、
最もやるべきことが資金集めでした。
やりたいことでもないし、頼まれたことでもないけれど、
自分が最もやるべきこと。
それが、「なされるべきこと」です。
「なされるべきこと」は誰かに教わることのできないもので、
考え抜いてはじめて見つけられるものです。
それは「知識」によってではなく
「責任感」によって見つけ出せるものです。
「なされるべきこと」を自分で見出せる能力。
これが、経営人材に必要な能力です。
では、その能力を身に付けるためには、
どうすればいいのでしょうか。
ドラッカーはこう言っています。
正解は頭のよさやひらめきによって得られるものではない。
正解が得られるのは正しい問いによってである。
その正しい問いを得るのは、企業とは何か、
われわれの事業は何かを知るための
営々たる努力によってのみである。
ピーター・ドラッカー
営々たる努力とは、一生懸命ということです。
経営に正解はありません。
ここでドラッカーが言っている「正解」とは、
事業を繁栄させる適切な意思決定のことです。
適切な意思決定は、単なる思いつきで導き出せるものではありません。
天才的なひらめきで一時的に成功することはあっても、
継続的に事業を成長させていくことはできません。
われわれの事業は何かを問い続けていきたいものです。
詳しくは、こちらでお読みになれます
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ピーター・ドラッカー
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ピーター・ドラッカー
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