企業は、審査のための機能を必要とする。トップマネジメントに助言し、
忠告し、相談相手になる能力と意欲をもつ真摯さ人を必要とする。
トップマネジメントとは別に、しかし危機にあっては
トップマネジメントの助けになる人たち、
知識と決断力をもつ人たちを必要とする。
ピーター・ドラッカー
経営チームの助けになる決断力をもつ人
せっかく経営チームをつくっても、
経営チームが形だけになってしまったり、
将来ワンマンが登場して長期政権に悩まされたり、
経営チームに内紛や不正が起こったら大変です。
「起こってほしくないこと」や
「起こってはならないこと」を防ぐのは、
トップの重要な責任の一つと言えるでしょう。
では、具体的にどうすればいいのでしょうか。
ドラッカーはこう言っています。
企業は、審査のための機能を必要とする。
トップマネジメントに助言し、忠告し、
相談相手になる能力と意欲をもつ真摯さ人を必要とする。
トップマネジメントとは別に、
しかし危機にあってはトップマネジメントの助けになる人たち、
知識と決断力をもつ人たちを必要とする。
ピーター・ドラッカー
誰が経営チームのメンバーに適していて、
誰にどんな役割を担ってもらうか、
ということを決めたり、良心と信念に基づいて
決断をくだす司法的な機能が必要です。
ここでは、司法的な機能をもつ機関を
取締役会と表現しておきましょう。
一、経営チームを ”正しく導く”
二、経営チームの ”公正さを保つ”
三、経営チームの ”助けになる”
では、このような取締役会に
適している人はどんな人でしょうか。
ドラッカーはこう言っています。
トップマネジメントとしての能力を
実証した者でなければならない。
理想的には、取締役会のメンバーには、
五〇代半ばで現業の仕事から離れ、
進んで助言者、先導役、良識となる意思をもつ人物が望ましい。
ピーター・ドラッカー
ドラッカーがそう言ったのは1970年代です。
その後、私たちの生きる時間も変わり、
定年のあり方もすっかり変わりました。
そう考えると、六〇代半ばにはご自身の仕事を
経営チームの助言者に移行するのが望ましいと
言えるのではないでしょうか。
後進から活躍の機会を奪わない
三国志に「髀肉の嘆」という言葉が出てきます。
劉備玄徳は、敵の曹操に追われ、
荊州に住む劉表の客分となりました。
劉備はある日、自分の太ももに
贅肉がついていることに気付きました。
戦場をかけ抜けていれば、
太ももに贅肉などつくはずがない。
居候の身となって、呑気な生活しているから、
太ももに贅肉がついてしまったのだ。
このままでは時は流れ、
自分が活躍できる機会を失ってしまう。
劉備のそんな言葉から、活躍の機会を失う不遇に
嘆くことを「髀肉の嘆」と呼ぶようになりました。
上がいつまでも後進に道を譲らないために、
後進から活躍の機会を奪ってしまうようなことは、
避けたいものです。
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ドラッカーが教える最強の経営チームのつくり方
著 者 : ドラッカー専門の経営チームコンサルタント 山下 淳一郎
出版社 : 同友館 1,600円(税別)
トップマネジメントがチームとして機能するには、いくつかの厳しい条件を満たさなければならない。
チームはシンプルではない。仲のよさで機能させることはできない。好き嫌いは問題ではない。
人間関係に関わりなく、トップマネジメントはチームとして機能しなければならない。
ピーター・ドラッカー