われわれの事業を知るための第一歩は、「顧客は誰か」という問いを発することである。
現実の顧客は誰か、潜在的な顧客は誰か、顧客はどこにいるのか、顧客はいかに買うか、
顧客はいかに到達するか、を問うことである。
ピーター・ドラッカー
商品やサービスはお客様中心になっているかを問いただす
ある東証1部の上場企業様が、
月に一度、役員全員が一堂に会し、
お客様のことだけを考える経営会議を行っている。
現在、そのお手伝いをさせて頂いている。
事業の目的は顧客の創造である。
1954年、ドラッカーはそう断言した。
事業の目的は売上を上げることと考えられていた時代にだ。
顧客の創造というと難しく聞こえるが
「喜んで下さる人を一人でも増やす」ということだ。
会社が売上と利益を出さなければならないのは当たり前。
それは国が寄付してくれないからだ。
どんな良い会社であっても利益がなければ生きていくことはできない。
売上と利益は、会社が生きていくために
必要なものであっても、目的ではない。
現実、病院は患者さんが一人もいなくなれば存在できない。
学校も生徒がいなくなれば廃校になってしまう。
会社もお客様がいなくなったら生きていけない。
あらゆる組織がお客様に生かされている。
一方、すべての人にすべてを提供し、
すべての満足をすべて提供できる会社はこの世にない。
特定の人に特定のことを提供し、特定の満足を提供することはできる。
ここでいう、特定の人が対象顧客だ。
内科の病院は風邪を引いた人に治療を行ない、
外科の病院は骨折した人に治療を行ない、
歯医者は、歯周病の人に治療を行なう。
御社はどんな人に何を行うのかー。
その本が面白かったかどうかを決めるのは読者だ。
そのワインがおいしいかどうかを決めるのはお客様だ。
何から何までお客様が決定権を持っている。
自分たちがこれはいいと思える商品であっても、
お客様にいいと思ってもらわなければ、
単なる自己満足になってしまう。
だから、お客様のことを考えず事業を考えることはできないし、
お客様のことを知らずして事業を進めることはできない。
ところが私たちの日々の現実は、
組織内部の都合や自分たちの問題に目がいってしまう。
気が付くとお客様のことを考えることを忘れてしまう。
恐ろしいことだ。それでは、成果をあげる力を失い、
やがて事業は停滞してしまうからだ。
では、どうすればいいのだろうか。
ドラッカーはこう言っている。
われわれの事業を知るための第一歩は、
「顧客は誰か」という問いを発することである。
現実の顧客は誰か、潜在的な顧客は誰か、
顧客はどこにいるのか、顧客はいかに買うか、
顧客はいかに到達するか、を問うことである。
ピーター・ドラッカー
お客様は日々刻々と変化している。
だから、事業はお客様中心に考え、
お客様中心に進めていかなければならない。
ぜひ、お客様のことだけを考えるミーティングを持って頂きたい。
今まで見えなかったものが浮かび上がり、
なんとなく提供していた商品やサービスに
劇的な改善が加えられるかもしない。
満員御礼、ありがとうございます