チームは一夜にしてならず、機能するには時間がかかる。
相互信頼と相互理解が必要である。そのためには数年を要する。
私の経験では三年はかかる。
ピーター・ドラッカー
共通のものの見方が不可欠
経営チームは、「同じことをやる集団」ではなく、
「同じものを目指す集団」です。
経営チームのメンバーがやっている仕事は、
マーケティング、イノベーション、商品開発、
技術、人事、財務というように全員違います。
それぞれ畑が違うために、「物の見方」も、
「物の考え方」も違います。
「使う言葉」も違うため、話し合いは混線し、
論点が噛み合わない状態になりがちです。
「私はそう思わない」「私の考えはあなたと違う」
といった否定の言葉をぶつけ合う局面に
陥ってしまうことも多々あります。
私は仕事柄、いろいろな企業の経営チームのミーティングに
同席させていただきます。実際、経営チームのメンバー同士の意見が
相反する場面は日常茶飯事です。
意思の疎通とお互いの理解にとても苦労します。
意見の食い違いは、お互いの視野が広がるので価値あることです。
しかし、意見の食い違いが度重なると、
人間関係が壊れる火種にまで発展する可能性があります。
チームとは言葉は柔らかですが、言うほど簡単ではありません。
ドラッカーはこう言っています。
チームは一夜にしてならず、機能するには時間がかかる。
相互信頼と相互理解が必要である。そのためには数年を要する。
私の経験では三年はかかる。
ピーター・ドラッカー
相互信頼とは「安心して思っていることを言い合える関係のこと」です。
相互理解とは「自分は相手の考えを理解しようと努め、
相手も自分の考えを理解しようとしてくれる関係のこと」です。
チームには「共通の考え」が必要です。
「共通の考え」とは自分の考えを持たない同調のことではありません。
ドラッカーはこう言っています。
あらゆる組織において、共通のものの見方、理解、方向づけ、
努力を実現するには、われわれの事業は何か。
何であるべきかを定義することが不可欠である。
ピーター・ドラッカー
わが社は、何のために、どんな考えで、
何をする会社なのかを決めなければならないのです。
経営チームは、一人ひとりが自分の考えを
持った人の集まりですから、
共通の考えを創り出すには、十分な会話が必要です。
共通の考えを創り出すのに機械的な方法はありません。
誠心誠意とことん話し合うしかありません。
思ったことをそのまま口にすれば、
もちろん誤解を招くこともありますが、
大事なことは「納得できるまで話す」ということです。
経営チームのメンバーがお互いの考えを理解するのには、
それなりの時間が必要です。
まさに「経営チームは一夜にしてならず」です。
共通の考えをつくる話し合いに１年、
チームの仕事が定着するのに１年、
軌道化するのに１年、
経営チームをつくるには３年かかります。
「わが社はすでに経営チームがあるから
半年もあれば大丈夫です」という会社も、
いざやってみると、実際、３年かかっています。
ぜひ早い段階から経営チームをつくってください。
（『ドラッカーが教える最強の経営チームのつくり方』より）
詳しくは、こちらでお読みになれます
ドラッカーが教える最強の経営チームのつくり方 山下 淳一郎
トップマネジメントがチームとして機能するには、いくつかの厳しい条件を満たさなければならない。
チームはシンプルではない。仲のよさで機能させることはできない。好き嫌いは問題ではない。
人間関係に関わりなく、トップマネジメントはチームとして機能しなければならない。
ピーター・ドラッカー
満員御礼、ありがとうございました。
