われわれの事業は何か』を知るための第一歩は、
『顧客は誰か』という問いを発することである。
現実の顧客、潜在的な顧客は誰か、顧客はどこにいるか、
顧客はいかに買うか､顧客にいかに到達するかを問うことである。
ピーター・ドラッカー
御社のさらなる繁栄のために
ドラッカー5つの質問の第二の質問は
「われわれの顧客は誰か」だ。
「われわれの顧客は誰か」の中に、
潜在的な顧客は誰かという問いがある。
潜在的な顧客とは、「まだお客様になっていないが、
これからお客様になってくれるであろう人」のことだ。
または、「まだお取引先になっていないが、
お取引先になってくれるであろう会社」のことだ。
そのようなお客様を見つけ出そう。
これが、潜在的な顧客は誰かという問いだ。
任天堂は1889年に創業した老舗企業で、
花札やトランプという製品を中心に、
娯楽分野で事業を展開してきた。
1970年代後半から事業範囲を拡大し、
コンピュータゲーム機の開発をはじめ、
1983年には家庭用のゲームを開発した。
1985年にスーパーマリオブラザーズを発売し、
世界的ヒットとなり、任天堂はゲームの会社として
世に広く知れ渡るようになった。
商品が高度なものになっていくにつれて
ゲームの操作も難しくなっていった。
また、商品がバージョンアップするたびに
ゲームの内容が複雑になったことが影響し、
ゲーム離れが起こった。この時の任天堂の顧客は
「一人でゲームを楽しむオタク」
だった。その後、任天堂はゲーム人口を拡大するために、
ゲームから離れてしまった人を呼び戻すため、
年齢を問わず誰もが同じスタートラインで
楽しめることができ、女性や高齢者といった非顧客を
取り込む製品を開発した。
これなら自分でもできそうだという操作方法を実現し、
ゲームに馴染みのない人にゲームの楽しさを普及していった。
直感的な操作の実現した、「Wii」である。
任天堂は、「まだお客様になっていないが、
これからお客様になってくれるであろう人」は
どんな人かを追究した。潜在的な顧客は誰かー。
この時の任天堂にとっての潜在的な顧客は
「ゲームを楽しむ家族」
だった。
当時の任天堂の潜在顧客は「ゲームを楽しむ家族」
現在のわが社の潜在顧客は「 」
御社は、上記の「 」の中にどんな言葉が入るだろうか。
御社のさらなる繁栄のために、ぜひ経営チームで考えを出し合って、
「 」の中に入る言葉を見つけ出してほしい。
（『ドラッカー5つの質問』 より）
詳しくは、こちらでお読みになれます
ドラッカー5つの質問 山下 淳一郎
成功を収めている企業は、「われわれの事業は何か」を問い、
その問いに対する答えを考え、明確にすることによって
成功がもたらされている。
ピーター・ドラッカー
ドラッカーをさらに知りたい社長様へ
基本と原則に反する者は例外なく破綻する。
ピーター・ドラッカー
今以上に事業を伸ばしていくためには基本と原則は不可欠です。
さらなる発展のために、ドラッカーを学びましょう。
