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ドラッカーの名言

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組織の外にもたらす変化こそイノベーション

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イノベーションとは、科学や技術そのものではなく
価値である。組織のなかではなく、
組織の外にもたらす変化である。

ピーター・ドラッカー

 

現状を変えるため私たちは何ができるか

 

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「農業を肉体労働から知識労働に変える!」。
こう語るのは、シリコンバレーにある、
富士ゼロックスの米国研究所、
FX Palo Alto Laboratory(以降、FXPAL)の上野 肇氏だ。

 

同社の親会社である富士ゼロックスは、
1962年に現在の富士フイルムホールディングスと
ゼロックス・リミテッド社との合弁会社として
誕生した日本の機械メーカーである。
パソコンを考え出したのはジョブズと思っている人も多い。
しかし、パソコンの生みの親はこの富士ゼロックスである。

 

変化の荒波の中にあっても、大企業はなかなか
イノベーションを起こせない。安易な商品やサービスを
出してしまえばブランドに傷がついてしまうし、
ある程度の事業規模でなければ大手企業は投資を行えない。

 

一方、それなりの投資を行うからには
収益の見込みを把握しなければならず、
現場でいいアイデアが出たとしても、
上層部にどれだけ収益が見込めるかを説明するのに、
相当の時間と労力を要する。それがクリアにならなければ、
当然現場は勝手に動けない。

 

加えて、大きな成功を収め長年リスクを
おかさなくても大きな収益を維持することが
できた大企業は、新規事業を推進する人材が育っていない。
多くの理由が幾重にも重なって、大企業ではなかなか
イノベーションを起こせないのが現実だ。

 

そのような中にあって上野氏は、
FXPALで仕事をする傍ら農業を改革する会社を
起ち上げ活動している。柑橘系の農業を例にあげよう。
それは重い器具を抱えて急な山道を登り、
山の上で収穫したものを下に降ろすという重労働である。

 

農業従事者の63%が65歳以上で、
その労働時間は年間3000時間。
サラリーマンの2000時間の1.5倍だにも関わらず、
農業従事者は農業だけでは十分な収入を満たせない。
そのために、ほとんどの農業従事者がほかの仕事を持っている。

 

そんな農業に携わる人たちにとって最大の悩みは獣害である。
やっと実った作物の多くは、猿や鹿などに荒らされてしまう。
それが原因で農業をやめてしまう人は少なくない。
このような劣悪の環境下で行っている仕事のやり方は
50年間まったく変わっていない。これが農業の現状だ。

 

上野氏は、この現状を変えるために
「ロボットと人間が共に働く農業の実現」に取り組んでいる。
まさに、イノベーションだ。具体的には、作物の品質向上など
クリエイティブな仕事は人間が担い、
重労働はロボットが担う、という変革を推進している。
ドラッカーはこう言っている。

 

イノベーションとは、科学や技術そのものではなく価値である。
組織のなかではなく、組織の外にもたらす変化である。
ピーター・ドラッカー

 

 

上野氏が推し進めているイノベーションは、
技術そのものではなく価値の向上であり、
農業にもたらす変化は計り知れない。

 

 

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