なされるべきことを考えることが成功の秘訣である。
何をしたいかではないことに留意してほしい。
これを考えないならば、いかに有能であろうと
成果をあげることはできない。
ピーター・ドラッカー
如何にして成果をあげるか
日本はかつて海外から働き過ぎだと批判された。
当時、働く時間を減らそうという機運が高まった。
日曜日だけが休日だった時代に土曜日も休日になった。
働く時間は、1980年代は週49.9時間、2011年は週50.1時間。
日本人の働く時間は減ることなく、むしろ長くなってしまった。
そして今、問われているのが働き方改革だ。
働き方改革は、働く時間を短くしよう
というものから起こったものだ。しかしそれは、
きっかけであって目的ではない。働き方改革の目的は、
「これまでの考えを改めて仕事のやり方を変えよう」
というものであり、問われているのは
「如何にして成果をあげるか」である。
業界全体が不振の中で一番最初に業績不振から
脱した会社があった。歴代の社長は2代にわたって、
業績不振から抜け出すために、働き方を変えようと取り組んだ。
改革の旗を挙げ取り組んだがすべて失敗に終わった。
3代目の社長は、部下に「どんな成果をあげるべきか」
と尋ねた。部下はこれまで自分の考えを主張する機会が
なかっただけで、しっかりとした考えを持っていた。
部下は「あげるべき成果は顧客単価を上げることだ」
と考えていた。社長は部下に「それを既にやっている店はあるか?」
と尋ね、400店舗あるうち9店舗が、既に顧客単価を上げることに
成功していることがわかった。
社長は9人の店長に「どうやって顧客単価を上げてきたか、
そのやり方を他の店に教えてほしい」と指示を出した。
やがて、ほとんどのお店が顧客単価を上げることに成功した。
今までよりも少ない労力で今まで以上の成果があがるようになった。
そして、社員全員が仕事にやりがいを感じるようになった。
成果をあげるためにすべきことは何かを問い、
これまでの考えを改めて仕事のやり方を変えた。
これが、この会社で行われた働き方改革だった。
こうして、この会社は業界全体が業績不振に悩む中にあって、
業績不振から脱した。この成功は、「目新しいことを行ったこと」
によるものではなく、「行うべきことを行ったこと」によるものだ。
歴代の社長は、部下の考えを聞こうとしなかった。
上で決めたことを下に押し付けただけだった。
部下人は一人ひとりいい考えを持っているものだ。
上司がそれを引き出し、それを活かすことができるかどうかだ。
あなたの部下も、自分の考えを主張する機会がないだけで、
しっかりとした考えを持っているはずだ。
ぜひ部下に「どんな成果をあげたらいいか」と尋ねてみてほしい
。働き方改革と上が変わらなければならない。
それは、目新しいことをやろうというものではない。
行うべきことを行うだけのことである。
ドラッカーはこう言っている。
なされるべきことを考えることが成功の秘訣である。
何をしたいかではないことに留意してほしい。
これを考えないならば、いかに有能であろうと
成果をあげることはできない。
ピーター・ドラッカー
どんなに優秀なビジネスマンであったとしても、
やるべきことを見つけ出し、これまでの考えを改め、
仕事のやり方を変えていかなければならない。
そして、「如何にして成果をあげるか」という問いに
答えを持たなければならない。
あなたがあげるべき成果とは何だろうか?
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