変化はコントロールできない。
できることは変化の先頭に立つことだけである。
ピーター・ドラッカー
シリコンバレーで成長する日系企業
変化を恐れず、変化し続けることだ。
そう語るのは、シリコンバレーに拠点を置く
BENEFIT ONE USA, INC.のCEO宇梶明徳氏だ。
同社の親会社である株式会社ベネフィット・ワン
(東京都千代田区代表取締役社長白石徳生)は、
売上高は連結で約320億、従業員数は連結で
約1000名を擁する企業だ。
南部靖之氏が率いるパソナグループの一員として、
官公庁や企業の従業員向けに福利厚生サービス
のほかヘルスケアなど様々な事業を行っている。
宇梶氏が率いる米国法人のBENEFIT ONE USA, INC.は
2012年に設立された。現在は、働く人の意欲を
高めるサービスを提供している。
シリコンバレーに出張に行った際、
CEOの宇梶氏に直接お話しを聞くことができた。
今、宇梶氏が一番重要視しているのはマーケティングだ。
国が違えば市場が違う。市場が違えば顧客が違う。
顧客が違えばビジネスのやり方が違う。
こう聞くと当たり前のように聞こえるが
実行するとなると話しは別だ。
わかっていることとできることは違うからだ。
宇梶氏は現地の顧客に合ったやり方を追求しながら、
日々改善にあたっている。
社会はどんどん複雑化し、多くの事業が専門化され、
様々な分野で専門家と言われる人が増えている。
しかし問題はなくなるどころか増え続けている。
技術の発達によって便利になったはずなのに、
ほとんどのビジネスマンは時間に追われている。
情報の共有は格段に早くなったにも関わらず、
考えの共有はうまくいかない。
社内にあっては業務のやり取りは多いのに、
職場の人間関係はますます希薄になっている。
特別な芸術家でない限り、この世にたった一
人で完結する仕事はないと言っていいだろう。
ほとんどの仕事は、人との関わりの中で仕事を進めている。
毎日、誰かが誰かの手を借りながら、あるいは、
誰かは誰かに手を貸しながら、日々お互いに支え合い、
お互いに助け合いながら仕事を進めている。
社員はみんな頑張っているのに、
誰がどう頑張っているかはわからない。
「手伝ってくれて助かったよ」「例の件、よかったね」
「そうそう、今日のプレゼン良かったよ」。
そんな言葉を伝えたい瞬間は多いはずだ。
しかし現実は、忙しい業務の中で、
そんな言葉は交わされることなく流されてしまう。
日々の現実を思い返す時、私たちは
多くの問題と矛盾の中で働いていることに気付く。
そんな問題と矛盾を解決してくれるのが、
先に紹介したBENEFIT ONE USA, INC.が
提供しているサービスだ。
シリコンバレーの市場は日本では
考えられないスピードで進化し続けている。
同じやり方を続けていてはいけない。
ドラッカーはこう言っている。
変化はコントロールできない。
できることは変化の先頭に立つことだけである。
ピーター・ドラッカー
確かに、変化は止めることはできない。
しかし、起こった変化を活用することはできる。
宇梶氏はまさに、市場で起こる変化を常に拾い上げ、
それを次の変化に活用すべく取り組んでいる。
「なぜそれをやっているのですか。」
そんな質問に多くの人がかつてはこう答えていた。
「今までそうやっているから」。
そんな時代はとうの昔に終わっていることを、
宇梶社長からあらためて教わった気がする。