自らに対し、少ししか要求しなければ、成長はしない。
極めて多くを要求すれば、何も達成しない人間と
同じ程度の努力で、巨人にまで成長する。

ピーター・ドラッカー

 

何を目指すかですべてが決める

 

大学が果たすべき役割は教育、
研究だけではなく国際社会への貢献など多岐にわたる。
そう語るのは、北見工業大学の学長、
鈴木　聡一郎氏だ。（以降、鈴木学長）

 

同大学は日本最北の国立大学法人として、
北海道東部オホーツク圏の中核都市・北見市にあり、
様々な産業分野で活躍する専門技術者として、
日本全国の企業や官公庁等に卒業生を輩出し、
高い評価を得てきた。

 

「人を育て、科学技術を広め、地域に輝き、未来を拓く」
という理念のもと、近年の技術の急速な発展を背景に
多岐にわたる専門分野を横断的に
活躍できる人材の養成に努めている。

 

鈴木学長に大学のあり方についてお話しを伺った。
「大学での教育は人を創る。専門知識を得て
就職してもらうのではなく社会の問題を解決する人間を
創っていかなければならない。一方通行の関わり方では
学生に教えられないことばかりである。

 

ところが多くの教員は一方通行の授業を
受けてきた人たちで、双方向の教育には慣れていない。
ゆえに、まずは教員自身が自分を
改革していかなければならない。

 

大学の次のステップは就職である以上、
大学は教育現場の最後の砦と言ってよい。
現在、文部科学省の方針は課題解決能力を持った
人間の教育を望んでいる。

 

われわれは、大学としての役割を果たすために、
学生一人ひとりの個性を伸ばすことを
追究していくことによって、
さらに社会に貢献できると信じている。

 

個性とは言葉を変えれば人間力だ。
人間力のベースにあるのは
自分に自信があるかないかに尽きる。
今の学生には、まずは自分に自信を
付けてほしいと思っている。
何かにこだわって、とことん取り組んでほしい。

 

けっして、勉強だけでなくてもいいのです。
何かにとことん取り組んで、その成果を
実感してほしい。それが自信につながる。
そうすれば自信をつくっていくことができる。
やれば絶対にできるという自信があれば挑戦できる。

 

以前、私自身も一人の教員として、
授業は理論の説明をするのではなく、
学生が興味を持つように心掛けてきた。
時にはあえて雑談もしながら
学生の考える力を育んできた。

 

授業は様々な分野に分かれている。
しかし、現実の社会はあらゆるものが
あらゆるものと繋がって常に動いている。
一つの分野の知識を得てよしとするのではなく、
物事のつながりを掴まなければならない。

 

学生には常々そう言ってきた。自分で自分の枠を決めずに、
自分の可能性を自分でどんどん広げていってほしい。
そこそこの自分でいいと思えば大きな成長はない。
しかし、より高みを目指せばより自分を
成長大きく成長させることができる。」
長年大学で教鞭を執ってきた教育者でもある
ドラッカーはこう言っている。

 

自らに対し、少ししか要求しなければ、成長はしない。
極めて多くを要求すれば、何も達成しない人間と同じ程度の努力で、
巨人にまで成長する。

ピーター・ドラッカー

 

 

何を目指すかですべてが決めると言っても過言ではない。
今、何を目指しているのですか？あなたはこう聞かれて
迷わず自分の考え言えるだろうか？ 高みを目指し、
とことん取り組むことによって自分を創っていくことができる。
鈴木学長のお話しを聴いて、そんな大切なことを学ばせてもらった。