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人事に完璧はない。しかし、人事に成功している者はいる。
彼らは五つのルールに従っている。
ピーター・ドラッカー
「中間管理職脳」から「経営脳」に
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先週、海外でリーダー研修を行った。研修会場はその企業様の会議室だった。
参加者集合した時、「異様な空気の重たさ」が気になった。
伸びている会社の場合、研修参加者が席に着く否や会話が自然発生しているものだ。
それに対して。伸び悩む会社は研修参加者は席に着いても全員が沈黙している。
この日は後者だった。
私は、その「異様な空気の重たさ」はどこから来るのか
組織の実態を理解することからはじめた。詳細は控えるが、
その「異様な空気の重たさ」の原因は、一人ひとりが持つ会社に対する不安感、
組織的コミュニケーションがないことによる疲弊、
上司に対して部下が抱く恐怖、部下に対して総経理が抱く不信感
によるものだということがわかった。
組織は「いろいろな考えをもった不完全な人の集まり」であり、
「異なる役割を持つ部門の集合体」だ。「形式的な会議」ではなく、
「開放的な話し合いの場」が絶対に必要だ。
話し合いなくして協力関係を築くことはできないからだ。
協力関係がなければ、組織が本来もつ力が発揮できず成果はあがらない。
そればかりか人も組織も痛んでしまう。この企業は人と組織が痛んでいる状態だった。
組織はすべてトップで決まる。そのような組織をつくっているのは、
現地の責任者にほかならなかった。
海外赴任している現地の責任者は、日本本社の上司と
現地の部下に挟まれている立ち位置だ。そのような立ち位置から、
役職は現地のトップであっても、頭の中は「中間管理職のままであり続ける。
日本本社からすれば、現地のトップである以上、
トップとしての職務を話してもらわなければならない。
したがって、海外で事業を成功させるためには、現地のトップの頭の中を
「中間管理職脳」から「経営脳」に変えていくことは必須の課題である。
海外法人のトップを「中間管理職者」から「経営者」に育て上げることは、
極めて重要な課題と言える。その企業の社長様は、現地の責任者の人選が
適切だったかどか思い悩んでいた。ドラッカーならなんと言うだろうか。
ドラッカーは人事についてこ言っている。
人事に完璧はない。しかし、人事に成功している者はいる。
彼らは5つのルールに従っている。
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第1に、人事の失敗に責任を負う。自らが任命して、成果をあげられなかった者を責めることは責任逃れである。人事を行った者が間違ったのである。
第2に、成果をあげられなかった者を再度動かす責任を果たす。そのままにしておいたのでは、他の者の迷惑であって全体の士気にかかわる。
第3に、新しく任命された仕事で成果があげられなくとも
辞めさせたりしない。適所でなかったにすぎない。
第4に、常に正しい人事を行うようつとめる。組織としての仕事ぶりは
一人ひとりの働きによって規定されるがゆえに、
人事は常に適切に行わなければならない。
第5に、外部からスカウトしてきた者には、何を期待されているかが明らかであって、
しかも手助けしやすい仕事を与える。新しい大きな仕事は、仕事のやり方が
明らかであって、かつ組織内で信頼されている者に担当させる。
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著 者 : 山下 淳一郎
人間関係に関わりなく、トップマネジメントはチームとして機能しなければならない。
ピーター・ドラッカー